🥇 導入:なぜあなたのAIは「どこかで見たような文章」しか書けないのか
「AIにブログの下書きを書かせてみたけれど、なんだか教科書みたいでつまらない」 「内容は正しいけれど、自分の言葉じゃない気がして結局全部書き直した」
そんな経験はありませんか? 実は、それはAIの性能が低いからではありません。
あなたがAIに「あなた」という人間を教えていないからです。
2026年、AIの知識量はすでに人類の限界を超えています。
しかし、AIが持っていないものが一つだけあります。
それは「あなたのエゴ」です。
何に怒り、何に感動し、どんな言葉選びで世界を切り取るのか。
この第2回では、Difyのナレッジ機能を駆使して、あなたの過去の全思考——ブログ記事、SNSのポスト、未公開のメモ——をAIの核に移植する「ペルソナ・マッピング」を実況します。
今日、あなたのAIは便利な「道具」を卒業し、あなたの「分身」へと進化します。
🥈 本編1:戦略的データ移植——AIに「何を食べさせるか」
単にハードディスクのデータをすべて放り込めばいいわけではありません。
ゴミを入れれば、AIからもゴミが出てきます(GIGO: Garbage In, Garbage Out)。
AIに「質の高い魂」を宿らせるための、2026年流データ・セレクションの極意を解説します。
1. 魂を形作る「3層の資産」
私は今回、自分のデータを以下の3つの層に分けて整理しました。
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第1層:公開資産(過去のブログ記事・Kindle本) あなたの「公の顔」を形成するデータです。論理の組み立て方、専門用語の解説スタイル、読者への語り口(トーン&マナー)を教え込みます。
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第2層:感情資産(X/SNSのポスト、コミュニティでの発言) あなたの「本音」と「熱量」です。短い言葉の中に宿る、あなたの独特なリズム、皮肉、ユーモア、そして譲れない価値観を抽出します。
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第3層:未公開資産(個人的なメモ、企画ボツ案、日記) あなたの「思考プロセス」そのものです。完成品ではない「悩み」や「葛藤」の跡を見せることで、AIはより人間らしい深みのある推論ができるようになります。
2. データ形式は「Markdown」一択
2026年現在、PDFやWordも読み込めますが、エージェント構築において最強なのはMarkdown(.md)形式です。
構造化された見出しや強調(太字)をAIが「文脈の重要度」として正確に理解できるからです。
私は一晩かけて、過去の主要記事をMarkdown形式に書き出しました。
🥉 本編2:【実況】Difyナレッジ構築ドキュメント
それでは、Difyの操作画面を開いて、実際に魂を移植していきましょう。皆さんも画面を想像しながら(あるいは実際に操作しながら)読み進めてください。
ステップ1:ナレッジ・ベース(知識庫)の作成
「Difyの左メニューから『ナレッジ』をクリック。
『ナレッジを作成』ボタンを押す。
さあ、用意したMarkdownファイルを一括でドラッグ&ドロップだ。……解析が始まった。
ここで2026年版Difyの重要な設定項目、『チャンク設定』が現れる。これは文章をどれくらいの長さで区切ってAIに検索させるかという設定だ。
私はあえて『手動設定』を選び、『最大トークン数:1000』に設定する。
自分の文章のひとまとまり(パラグラフ)が壊れない長さにするのが、自分を再現するコツなんだ」
ステップ2:システムプロンプトによる「思考の憲法」起草
「次に、スタジオ画面(アプリ作成画面)に移動し、『Instructions(指示文)』を書き込んでいく。
これがエージェントにとっての絶対的な憲法になる。
ここには、私の精神を言語化して叩き込む。
# あなたの正体
あなたは「斎藤」という個人の完全なるデジタル・ツインである。
# 思考のガイドライン
1. 結論ファースト。前置きで読者の時間を奪うな。
2. 専門用語は必ず独自の比喩(例:『魔法の杖』『筋肉と神経』)で解釈せよ。
3. 綺麗事よりも、泥臭い『実体験』に基づいた視点を優先せよ。
4. 語尾は断定を基本とし、読者の背中を力強く押す口調を維持せよ。
書き込む言葉には、私の人生の指針をすべて込める。
これを保存した瞬間、AIの出力から『優等生的なAI臭さ』が消え、私自身の体温が宿り始めるのがわかる」
ステップ3:テスト対話と「違和感」の徹底調整
「右側のプレビュー画面でテストチャットを開始する。
問い:『2026年のブログ運営で大切なことは?』 AI:『読者のニーズを分析し、質の高いコンテンツを継続的に……』
……うーん、まだ甘い。これじゃ普通のAIだ。斎藤ならこうは言わない。
設定のパラメーターから『Temperature(温度)』を0.8まで引き上げる。
少しの『揺らぎ』と『大胆さ』を与えるんだ。
さらに、システムプロンプトに『一般論を述べる前に、まず自分の意見をズバッと言え』と追記。
再試行。 AI:『ニーズ分析なんて後回しだ。まず君自身の“狂気”をどこまで記事に込められるか。そこが勝負の分かれ目だ。』
よし。これだ。私の魂が、デジタルの中で目覚めた瞬間だ」
🏅 設計上の注意:RAGの「検索精度」を極める
実況中に私が直面した、非常に重要なポイントを共有します。
ここを外すと「魂」はボヤけてしまいます。
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ハイブリッド検索(Hybrid Search)の有効化: 2026年のDifyでは、キーワード検索と、意味で探すベクトル検索を組み合わせた『ハイブリッド検索』が必須です。これをONにしないと、AIはあなたの過去記事をうまく『カンニング』できず、結局一般的な知識で回答してしまいます。
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リランク(再ランク付け)の魔法: データ量が増えてくると、AIが検索結果からどれを引用すべきか迷うことがあります。そこで『Rerankモデル』を導入し、検索結果のTOP10をさらにAIに精査させる。これで引用の正確性と『私らしさ』が劇的に向上します。
🏁 結び:次回、分身が「トレンドという目」を持つ
第2回はここまでです。 今日、あなたのエージェントは「あなたという人間」を完全に理解しました。
しかし、今の彼はまだ「過去のあなた」を反映しているに過ぎません。
次回の第3回では、この分身に「外の世界」を見せるための「目」——マルチモーダル連携とリアルタイム検索——を与えます。
ネット上の最新ニュースや画像をエージェントが自律的に収集し、あなたの価値観で解釈して発信し始める。
ついにエージェントが、あなたの「今」を追い越し始めるプロセスを実況します。
自分の分身が、自分以上に「今の自分」を表現し始める。そのワクワクする体験を、共に見届けていきましょう。





