【AIエージェント構築・第4回】「指示待ちAI」を卒業せよ。自律的な思考ループを実装する実況中継

🥇 導入:2026年、私たちは「プロンプト」を捨てた

皆さん、正直に答えてください。AIとのやり取りで、こんな「不毛なラリー」を繰り返していませんか?

「もっと専門的な視点で書き直して」 「具体例が足りない、3つ追加して」 「言い回しが不自然だから、もっと僕らしくして」

……これでは、あなたがAIの「つきっきり管理職」として働かされているのと同じです。

指示を出す手間を考えれば、自分で書いたほうが早いのではないか。

そう感じてしまうのは、あなたがまだAIを「ただの道具」として使っているからです。

2026年のブレイクスルーは、「Agentic Workflow(エージェント的ワークフロー)」の実装です。

一回の指示に対し、AIが自ら「計画」を立て、「実行」し、その結果を自分で「評価」して、納得がいかなければ「修正」する。

この自律的な思考ループこそが、指示待ちAIを「頼れる相棒」へと変える最後のピースです。

第4回では、Difyの最新機能を駆使し、エージェントに「自ら考える脳」を実装するプロセスを実況します。


🥈 本編1:自律性を生む「Reflection(自己反省)」の設計思想

AIが自律的に動くためには、何が必要か。それは「客観的な視点」です。

2026年のエージェント設計において、私が最も重視しているのが「Reflection(自己反省)」というパターンです。

これは、回答を生成する「実行役」とは別に、それを厳しくチェックする「監督役」をシステムの中に配置する手法です。

「今の回答は、第2回で教えた斎藤の価値観に合っているか?」

「第3回で拾った最新ニュースの裏付けは取れているか?」

この自問自答をプログラム的に強制することで、アウトプットの質は、人間が何度もリテイクを出す手間なしに、一気にプロレベルまで引き上げられます。


🥉 本編2:【実況】Dify自律ワークフロー構築ドキュメント

それでは、Difyの「ワークフロー」エディタを開き、エージェントの思考を「直線」から「円(ループ)」へと変えていきましょう。

ステップ1:イテレーション(反復)ノードの配置

「Difyのエディタに、2026年版の目玉機能である『Iteration(イテレーション)』ノードを追加する。

これは、特定の条件を満たすまで処理をループさせるための装置だ。

今までの『入力→出力』という一方通行のフローが、ここでグルリと円を描き始める。

エージェントに『納得いくまで粘る』という意志が宿る瞬間だ」

ステップ2:監督エージェントの「毒舌プロンプト」設定

「ループの中に、もう一人のAI人格を配置する。役割は『冷徹な編集長』だ。

指示文(Instruction)にはこう書き込む。

『お前は世界一厳しい編集者だ。生成された下書きに、少しでも“AI特有の綺麗事”や“データ不足”があれば、即座に突き返せ。どこが悪いかを具体的に指摘し、改善されるまで公開を許可するな』。

自分自身の出した答えを、自分自身で疑わせる。

この『内省』のプロセスが、出力を極限まで磨き上げるんだ」

ステップ3:【実演】一言の指示で「最高の記事」が届くまで

「実験だ。ターゲットを一言、**『2026年のエージェント経済圏について、読者の価値観を揺さぶる記事を書いて』**とだけ入力。

AIの内部で、思考の嵐が巻き起こる。

  1. 実行: 下書きを作成。

  2. 評価: 『内容が教科書的すぎる。斎藤の“悪・即・斬”の精神が足りない』と自分でボツ。

  3. 再考: 第2回のナレッジを再検索し、私の過去の失敗談をエピソードとして挿入。

  4. 評価: 『よし、これなら読者の心を刺せる。合格だ』。

3分後。私の画面に表示されたのは、私が3時間かけて唸りながら書いたような、血の通った1万字の考察記事だった」


🏅 設計上の注意:「無限ループ」と「コスト」の番人

自律化は強力ですが、コントロールを誤ると牙を剥きます。実況中に私が直面した注意点です。

  • 「無限ループ」のブレーキを用意せよ: AIがこだわりすぎて永遠に終わらない、あるいは小さなミスを修正し続けてAPI料金が膨れ上がる……。そんな事態を防ぐため、必ず『最大ループ回数:3回』などの停止条件を設定しましょう。2026年のエンジニアリングは、この「引き際」の設計が肝になります。

  • モデルの階層化でコストを抑える: 下書きの生成には安価で高速なモデルを使い、最後の「批評」と「仕上げ」だけに最高級モデル(GPT-5クラス)を投入する。この『階層型モデル運用』が、24時間エージェントを回し続けるための現実的な解です。


🏁 結び:次回、分身が「経済」を動かし始める

第4回を終え、あなたのエージェントは「指示待ち」を卒業しました。

もはや彼は、あなたが寝ている間も自分で考え、改善し、自走し続ける「生きた知性」です。

次回の第5回では、この賢くなったエージェントに「財布」と「権限」を与えます。

エージェントが自らツールを契約し、必要な外部リソースを調達し、あるいは作成したコンテンツを自律的にマーケットへ流していく。

第3回・第4回で触れた「エージェント経済圏」の入り口、「支払いとアクションの自動実行」を実況します。

ついに、あなたの分身が「稼ぐ」という実利を手にし始めます。