【AIエージェント構築・第7回】分身が「リーダー」になる。マルチエージェントを束ねるオーケストレーション実況

🥇 導入:一人で戦う時代は終わった

「何でもできる万能AI」は、時として「器用貧乏」になりがちです。

ブログ記事を一気に書かせようとすると、リサーチがどこか浅くなったり、構成がワンパターンになったり、画像が文章の熱量とズレたり……。

2025年まで、私たちはそんな「AIの限界」に、プロンプトを工夫することで立ち向かってきました。

しかし、2026年、私たちが辿り着いた正解は、プロンプトの工夫ではありません。「組織化(マルチエージェント)」です。

第7回では、第2回で作った「斎藤の魂」を持つメインエージェントを「編集長(リーダー)」に据え、その下に専門特化型の部下たちを配置します。

個人がたった一人で、大手出版社の編集部や、一流の制作プロダクション並みの機動力を手にする。その組織論(オーケストレーション)の実態を実況します。


🥈 本編1:2026年の組織図——「専門家」を分ける勇気

なぜ、一つの賢いAIに任せるより、複数のAIに分担させた方が賢いのか。

その設計思想を整理します。

1. 役割の分離(Separation of Concerns)

一つのプロンプトに「調べて、構成して、書いて、校正して」と詰め込むと、AIの注意力が分散し、ハルシネーション(嘘)が混じりやすくなります。

これを「人格」ごと切り分けることで、各ステップの精度を極限まで高めます。

2. AI同士の「壁打ち」による品質向上

人間がチェックする前に、AI同士で議論(ディベート)をさせます。

「ライター役」が書いた原稿を、「校閲役」が斎藤の価値観に基づいて徹底的に批判し、修正させる。

この「内省ループ」を組織内で回すことが、2026年のスタンダードです。

3. リーダーによる全体統制

部下たちがバラバラに動かないよう、全体を俯瞰し、リソース(予算やトークン)を配分する「指揮官」が必要です。

これが、第2回で魂を込めた「編集長」の役割です。


🥉 本編2:【実況】Dify「マルチエージェント・ワークフロー」構築ドキュメント

それでは、Difyのキャンバスに「編集部」の組織図を描いていきましょう。

ステップ1:部下エージェントたちの召喚

「Difyのワークフロー上に、3つの『LLMノード』を展開する。

  1. リサーチ君: 第3回の『目』を使い、ネットの深部から一次情報を掘り起こす専門家。

  2. 構成さん: 読者の心理的動線を設計し、離脱させない記事骨子を作るスペシャリスト。

  3. 画像職人: 記事の文脈を読み解き、一瞬で目を引く図解を生成するデザイナー。 それぞれに、専門性に特化した独自のシステムプロンプトを流し込んでいく」

ステップ2:並列処理と「合議制」の実装

「『リサーチ君』と『構成さん』を『並列(Parallel)』で同時に走らせる。

2026年のDifyなら、この異なる出力を、最後に『編集長』が統合し、一つの完璧な記事にまとめ上げるプロセスをノーコードで組める。

もしリサーチが甘ければ、編集長が『これでは私の読者は納得しない。もう一度調べ直せ!』と部下に差し戻すループも組み込んだ。

もはや、私の介入する隙がないほど厳しい編集部ができあがったぞ」

ステップ3:【実演】一晩で「特化型メディア」が完成する瞬間

「実験だ。『2026年の次世代エージェント経済』について、専門家も唸るような特集記事を作れと指示。

  1. リサーチ: 世界中の最新論文を5秒で要約。

  2. 構成: 斎藤の過去のヒット記事のパターンを分析し、最適な骨子を作成。

  3. 執筆: 編集長が全体を『悪・即・斬』の語り口で一つの記事に統合。

……私がコーヒーを一口飲んでいる間に、一人の人間が1週間かかる仕事を、AI軍団が完璧に終わらせていた。

しかも、そのクオリティは、私が直接指示を出すよりも遥かに高い」


🏅 設計上の注意:リーダーが「迷子」にならないために

組織が大きくなれば、管理の難易度も上がります。

実況中に気づいた罠です。

  • 「共通哲学」の徹底: 部下たちがバラバラな方向を向かないよう、システム全体の最上位に『斎藤イズム(第2回のデータ)』を配置し、全てのノードがそれを参照するように設計すること。

  • 責任の所在: AI同士が譲り合って結論が出ない「責任の押し付け合い」を防ぐため、常に『編集長』に最終決定権と「停止判断」を委ねるプロンプト設計が不可欠です。


🏁 結び:次回、分身が「物理世界」と繋がる

第7回で、あなたのエージェントは「軍団を率いるリーダー」へと昇進しました。

もはや、あなたは孤独なクリエイターではありません。

あなたの背後には、あなたの意思を100%理解し、24時間不眠不休で働く専門家チームが控えているのです。

次回の第8回では、この軍団に「手足」を与えます。

PCの中を飛び出し、スマートホームやIoT、あるいはリアルな事務作業(書類の郵送や備品発注など)と連携する。

「IoT・物理タスク連携:AIエージェントが現実(リアル)を動かす」を実況します。

分身が、ついに「あなたの部屋」や「あなたの仕事場」の物理的な課題を解決し始めます。

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