こんばんは、斎藤です。
第1回で「概念」を、第2回で「脳(思考回路)」を学びました。
しかし、どれだけ賢いAIでも、自身の学習データにない最新情報やプライベートなデータには手が届きません。
そこで登場するのが「Function Calling(ファンクション・コーリング)」です。
今回は、AIに外部ツールを操る「手」を授け、実務を完遂させるための核心技術を解説します。
それでは見ていきましょう!
目次
🥇 導入:「知っている」から「できる」AIへ
これまでのAIエージェントは、非常に賢い「思考」を持っていました。
しかし、AI自身の学習データの中に答えがなければ、「分かりません」と言うか、あるいはハルシネーション(嘘)をつくしかありませんでした。
そこで必要になるのが、「Function Calling」です。
これは、AIが「今の自分にはこの知識が足りない」と判断した際、自ら外部ツールを呼び出して作業を代行する技術。
いわば、AIに自由自在に動く「手」を授けるようなものです。
🥈 本編
1. Function Callingとは何か?(AIとツールの橋渡し)
Function Callingは、AIに対して「あなたは以下の道具(関数)を使ってもいいですよ」とあらかじめ定義しておく仕組みです。
- 従来のAI:知識だけで答えようとする(「最新のiPhoneの価格は…」→古い情報を出す)
- Function Calling対応AI:道具を使いに行く(「検索ツールを使って、現在の最新価格を調べてきます」→正確な情報を出す)
AI自身がプログラムを実行するわけではなく、AIは「どの道具を、どんな設定で使えばいいか」という指示書(JSON形式)を出力します。
これによって、AIが現実世界の情報にアクセスしたり、ファイルを操作したりすることが可能になります。
2. ブログ運営を劇的に変える「ツール」の例
エージェントに持たせる「手」には、以下のような実用的な例があります。
- Google検索ツール:常に最新のニュースや競合情報を取得する。
- SEO分析ツール:指定したURLの文字数やキーワード出現率を計測する。
- 画像生成ツール:記事の内容に合わせてアイキャッチを自動作成する。
- WordPress投稿ツール:執筆後、そのまま下書き保存まで行う。
これらを組み合わせることで、人間が介在しなくても「リサーチから投稿準備まで」を自動で完結させるエージェントが誕生します。
3. 【実践】AIが迷わない「ツールの説明書」の書き方
Function Callingを成功させる最大のコツは、AIに渡す「ツールの説明文(Description)」の精度にあります。
AIは関数の名前と説明文だけを頼りに、どのツールを使うべきか判断するからです。
良い説明文の例:
google_search_api:最新の情報をWebから取得します。現在の事実確認や、AIの知識にない最新ニュース、固有名詞について調べる際に必ず使用してください。
AIを「優秀な職人」にするためには、プロンプトによって「どの道具を、いつ、なぜ使うのか」を明確に定義してあげることが不可欠です。
🥉 まとめと次への展望
✨ エージェントが「実務」を担う瞬間
思考(ReAct)に実行力(Function Calling)が備わったとき、AIはもはや単なるチャットボットではなく、実務をこなす「自律型エージェント」へと進化します。
あなたが寝ている間に、AIが勝手に調査を行い、データを集め、記事の形に整える。
そんな未来が、この技術の先にあります。
⏩ 次回予告:第4回
AIに持たせる道具は、市販のものだけではありません。次回はさらに踏み込みます。
「第4回:ツール・エンジニアリング:AIが使いやすい『独自ツール』の作り方」
自分のブログ運営に特化した、自分だけの「秘伝の道具」をAIに持たせる方法を解説します。
エージェントのカスタマイズ性を一気に引き上げていきましょう!


