こんばんは、斎藤です。
今回は、第1回から第5回までに学んだ知識を総動員し、Google Analytics (GA) や Search Console (SC) などの分析データに基づき、AIに高度な判断とアクションプランの自動導出を行わせる、実践的な応用ワークフローを構築します。
それでは見ていきましょう!
目次
🥇 導入:データに基づきAIに「改善アクション」を自動生成させる
ブログ運営において最も時間と労力がかかるのが、「データ分析」と「改善仮説の立案」です。
しかし、プロンプトエンジニアリングの応用技術を使えば、このプロセスをAIに自動化させることができます。
AIに分析データ(コンテキスト)を与え、論理的な思考(CoT)を強制し、次のツールと連携可能な構造化データ(JSON)で出力させることで、あなたの判断力をAIに肩代わりさせることが可能です。
本シリーズの第7回では、AIを単なる文書作成ツールから「データ駆動型の経営コンサルタント」へと進化させるための、実践的なデータ分析プロンプトワークフローを解説します。
この記事を読めば、以下のポイントを理解し、AIにデータ分析に基づいた実効性の高いアクションプランを自動生成させることができます。
- GA/SCデータをAIに効率よく読み込ませるためのコンテキスト設定法
- AIに「改善記事の特定」と「失敗原因の分析」を同時に行わせるCoT戦略
- 自動化ツール(Zapier, Makeなど)と連携可能なJSON出力の設計
データ分析の時間を短縮し、より創造的で戦略的な業務に集中できる体制を確立しましょう!
🥈 本編
1. データ分析プロンプトの核となる3要素の統合
データ分析タスクのプロンプトでは、「役割」「コンテキスト」「制約」と、「CoT」を密接に統合します。
| 要素 | 設定目的 | 具体例 |
|---|---|---|
| 役割(ペルソナ) | 出力の専門性を高める | 「あなたは過去100以上のサイトをV字回復させたデータ駆動型SEOコンサルタントです。」 |
| コンテキスト | 分析対象データを提供する | 「【SCデータ】(記事URL, 検索順位, CTR, 表示回数)のCSVデータを以下に貼る。」 |
| CoT(思考) | 論理的な仮説導出を強制 | 「データを基に、『記事の特定』→『原因の分析』→『改善仮説の立案』の3段階で思考せよ。」 |
| 制約(形式) | 次の連携に備える | 「最終的な改善記事リストは、必ず以下のJSONスキーマに従って出力せよ。」 |
2. 【実践】改善アクション自動生成CoTワークフロー
GA/SCのデータ(コンテキスト)に基づき、AIに改善アクションを導出させる連鎖的思考(CoT)の流れを構築します。
💡 CoT実践プロンプトの流れ
| Step | 役割 | AIへの指示 |
|---|---|---|
| Step 1 | データスクリーナー | 「提供されたデータのうち、表示回数が多いにもかかわらずCTRが極端に低い記事(順位20位以下)を5つ特定し、リスト化してください。」 |
| Step 2 | 仮説分析家 | 「Step 1で特定された各記事について、『タイトルとメタディスクリプションの訴求力不足』か『コンテンツの検索意図のズレ』のいずれが主要因であるか、最も可能性の高い仮説を立案してください。」 |
| Step 3 | アクションプランナー | 「Step 2の仮説に基づき、最も費用対効果が高い(Low-hanging fruit)具体的な改善アクション(例:タイトル修正、リード文強化など)を導出してください。」 |
| 最終出力 | JSONエディター | 「上記プロセスを内包した上で、最終的な改善リストをJSON形式で出力してください。」 |
効果: AIはデータスクリーニングから具体的なアクションプランまでを一貫した論理で導き出し、あなたはAIの結論を検証するだけで済みます。
3. 自動化連携のためのJSONスキーマ設計
最終的な出力形式は、自動化ツールが読み取りやすいJSON形式とします。
💡 JSONスキーマ例
{
"article_improvement_list": [
{
"url": "https://yourblog.com/low-ctr-article-a",
"status": "Target for Rewrite",
"main_hypothesis": "Title/Meta Description Mismatch (Step 2 Analysis)",
"recommended_action": "Revise Title to include numbers and urgency.",
"priority": "High"
},
// ... 続く記事
]
}
連携のメリット
このJSONデータをZapierやMakeに渡せば、自動的に「改善記事」としてGoogle Sheetsに記録したり、Slackに通知を送ったりするワークフローが構築できます。
🥉 まとめと次への展望
✨ AI分析は「仮説」を自動生成する
AIプロンプトエンジニアリングは、データ分析における「仮説立案」という最も高度で時間のかかる作業を自動化します。
AIにデータを与え、論理的な思考を強制し、連携可能な形式で出力させることで、あなたは「AIの仮説を検証し、実行する」という、より戦略的な役割に集中できます。
この第7回で、あなたはAIによるデータ駆動型の意思決定支援システムを構築する技術を習得しました。
⏩ 次回予告:【実践ワークフロー】第8回
次回は、コンテンツの配信と集客に直結する重要なテーマに進みます。
「AIによるSNS・メール・動画シナリオの自動作成と形式制御」と題し、ブログ記事を公開した後、その記事を元に、X(旧Twitter)投稿文、メルマガの件名と本文、YouTubeショートの台本など、複数のメディアへの展開をAIに一括で、かつ連携可能な形式で生成させる方法を解説します。
どうぞご期待ください!





