第1章 すべてを頑張らなくていい
ここまでの5回では、
集中を邪魔しているものを減らすことについて話してきました。
通知を減らす。
SNSを見る時間を減らす。
メールにすぐ反応しない。
同時に複数のことをやらない。
「今やらないこと」を決める。
そして、
集中しやすい環境をつくる。
一つずつ減らしていくことで、
自分の時間を少しずつ取り戻していきます。
では、
取り戻した時間を、
何に使えばいいのでしょうか。
ここで大切なのが、
「すべてを頑張らない」という考え方です。
私たちは、
つい何に対しても、
同じように頑張ろうとしてしまいます。
仕事では成果を出したい。
趣味も充実させたい。
家族や友人との時間も大切にしたい。
健康にも気をつけたい。
勉強もしたい。
新しいことにも挑戦したい。
SNSも更新したい。
ブログも書きたい。
やりたいことを挙げていけば、
いくらでも出てきます。
そして、
「全部ちゃんとやろう。」
と思ってしまう。
でも、
一日は24時間しかありません。
体力にも限界があります。
集中できる時間にも限りがあります。
だから、
全部に同じだけ力を使おうとすると、
どこかで無理が出てきます。
仕事に力を使った日は、
趣味に使えるエネルギーが少なくなるかもしれません。
人とたくさん会った日は、
一人で過ごす時間が欲しくなるかもしれません。
新しいことに挑戦した日は、
いつもより疲れているかもしれません。
それは、
怠けているわけではありません。
人間が使える時間とエネルギーには、限りがあるからです。
だからこそ、
「何に集中するか」を決めることが大切になります。
これは、
「仕事だけ頑張ればいい。」
という話ではありません。
むしろ、
仕事も、
趣味も、
人間関係も、
全部を同じ強さで抱え込まなくていい、
という話です。
たとえば、
今の自分にとって、
仕事が大切な時期なら、
仕事に少し多くの時間を使う。
新しい趣味を始めたばかりなら、
その時間を少し増やしてみる。
家族との時間を大切にしたいなら、
そこに意識を向ける。
逆に、
今はそれほど重要ではないものについては、
少し力を抜いてもいい。
SNSの投稿を毎日しなくてもいい。
すべての誘いに応じなくてもいい。
すべての仕事を、
完璧に仕上げようとしなくてもいい。
全部を同じように大切にしなくていいのです。
なぜなら、
大切なものには、優先順位があるからです。
ここを曖昧にしたまま、
「もっと頑張ろう。」
とすると、
時間もエネルギーも、
いろいろな方向に分散してしまいます。
結果として、
一日中動いているのに、
本当にやりたかったことが進んでいない。
そんな状態になることがあります。
たくさんのことをやっている。
でも、
どれも中途半端。
仕事をしながらSNSを確認して、
メールを返しながら、
別の仕事のことを考える。
帰宅してからも、
「勉強しなきゃ。」
「ブログを書かなきゃ。」
「運動もしなきゃ。」
と考える。
休日になれば、
「せっかくの休みだから、
何か有意義なことをしなければ。」
と思ってしまう。
これでは、
休んでいる時間まで、
何かを頑張る時間になってしまいます。
だから、
集中するためには、
「何をするか」だけではなく、
「何に力を使わないか」を決める必要があります。
これは、
これまで話してきた「引き算」と同じです。
集中できる環境をつくるために、
通知を減らしました。
SNSを見る時間を減らしました。
「今やらないこと」を決めました。
そして今度は、
自分の人生において、
「全部に力を使わない」
という引き算をしていきます。
たとえば、
仕事を100点。
趣味を100点。
人間関係を100点。
健康を100点。
勉強を100点。
全部100点にしようとする必要はありません。
そんなことを続けていたら、
自分自身が先に疲れてしまいます。
むしろ、
「今の自分にとって、
一番大切なのは何だろう。」
と考えてみる。
そして、
そこに少し多くの時間を使う。
他のものは、
60点でもいい。
場合によっては、
30点でもいい。
今は、
ほとんど力を使わなくてもいいものがあってもいい。
それは、
何かを諦めることとは違います。
今の自分が大切にしたいものを、自分で選んでいるだけです。
人生では、
時期によって大切なものが変わります。
20代では仕事を優先する時期があるかもしれません。
別の時期には、
家族との時間を優先するかもしれません。
新しいことを始める時期もあれば、
何も増やさず、
今あるものを大切にする時期もあります。
だから、
「いつでも全部を頑張る」
必要はありません。
その時々で、
大切なものに、
自分の時間とエネルギーを配分していけばいい。
集中とは、
長時間働くことでもありません。
たくさんのことをこなすことでもありません。
自分にとって大切なものへ、限られた力を向けることです。
だから、
もし今、
「毎日頑張っているのに、
なぜか前に進んでいる感じがしない。」
と思っているなら、
新しい努力を増やす前に、
一度立ち止まってみてください。
「自分は、
何に力を使いすぎているだろう。」
そして、
「本当は、
何にもっと力を使いたいだろう。」
と考えてみる。
もしかすると、
集中力が足りないのではなく、
大切ではないものに、
集中力を使いすぎているだけかもしれません。
すべてを頑張らなくていい。
すべてに同じだけ時間を使わなくていい。
すべての人に同じだけ応えなくていい。
すべての仕事を完璧にしなくていい。
大切なものを大切にするために、
それ以外のものに使う力を、
少し減らしてみる。
その引き算によって、
本当に集中したいものが、
少しずつ見えてくるのです。
第2章 本当に大切なものに、優先順位をつける
すべてを頑張らなくていい。
そう言われても、
「じゃあ、何を頑張ればいいんだろう。」
と迷うかもしれません。
そこで大切になるのが、
「自分にとって、本当に大切なものは何か」を考えることです。
私たちは普段、
目の前にあるものから順番に対応してしまいます。
メールが来たら返信する。
通知が来たら確認する。
頼まれたら対応する。
予定が入ったら参加する。
仕事があれば終わらせる。
そうやって一つずつ処理しているうちに、
一日が終わってしまう。
でも、
「目の前にあるもの」と、
「自分にとって大切なもの」は、
必ずしも同じではありません。
メールは重要に見えても、
今日すぐに返信する必要がないかもしれません。
SNSの通知は気になっても、
今の自分の人生にとって、
それほど大きな意味を持っていないかもしれません。
誰かから誘われた予定も、
本当は断っても問題ないかもしれません。
逆に、
後回しにしているブログを書く時間や、
家族と過ごす時間、
自分の将来について考える時間のほうが、
長い目で見ると大切かもしれません。
ここで一度、
「重要そうに見えるもの」と、
「本当に大切なもの」を、
分けて考えてみてください。
この二つは、
似ているようで違います。
重要そうに見えるものは、
周りから急かされることがあります。
「早く返事をしてください。」
「今日中にお願いします。」
「みんなやっていますよ。」
そんな言葉を聞くと、
自分にとっても重要なことのように感じてしまいます。
でも、
誰かにとって重要なことが、
自分にとって重要とは限りません。
だからこそ、
一度立ち止まって、
自分の基準で考える必要があります。
「これは、
自分の人生にとって本当に必要だろうか。」
「これに時間を使うことで、
自分は何を得たいのだろう。」
「今やっていることは、
自分が大切にしたいものにつながっているだろうか。」
こうした問いを持つだけでも、
時間の使い方は少し変わってきます。
たとえば、
仕事を大切にしたい時期なら、
仕事に集中する時間を確保する。
その代わり、
SNSを見る時間を減らす。
必要以上の付き合いを減らす。
細かい作業を後回しにする。
すべてを同じように扱うのではなく、
大切なものを先に守るのです。
家族との時間を大切にしたいなら、
仕事以外の時間をすべて予定で埋めない。
趣味を大切にしたいなら、
「時間が余ったらやる」のではなく、
最初から時間を確保する。
自分の未来について考えたいなら、
毎日の忙しさに流される前に、
少しだけ一人になる時間をつくる。
大切なものは、
「余った時間」で大切にするのではありません。
大切だからこそ、先に時間を渡すのです。
これは、
集中することにもつながっています。
集中できない理由の一つは、
何を優先すればいいのか、
自分でも分からなくなっていることです。
仕事も大事。
メールも大事。
SNSも気になる。
勉強もしなければいけない。
運動もしなければいけない。
家族との時間も必要。
友人との付き合いも大切。
そうやって、
全部を「大事」にしてしまう。
すると、
結局どれにも十分な力を使えなくなります。
だから、
すべてを大切にするのではなく、
「今の自分にとって、特に大切なもの」を決める。
これでいいのです。
もちろん、
一つだけに絞る必要はありません。
仕事も大切。
家族も大切。
趣味も大切。
それぞれに意味があるでしょう。
ただし、
すべてに同じ量の時間とエネルギーを使う必要はありません。
たとえば、
仕事に50%。
家族に30%。
趣味に15%。
その他に5%。
そんなふうに、
自分なりの配分を考えてみてもいい。
正確な数字でなくても構いません。
「これは今、一番大切。」
「これは大切だけれど、今は少し後ろでいい。」
「これは今、そこまで力を使わなくていい。」
そうやって、
自分の中で順番をつけていく。
それだけでも、
使う力の向きが変わります。
そして、
ここで忘れてはいけないのが、
優先順位は、ずっと同じではないということです。
仕事が忙しい時期には、
仕事を優先してもいい。
家族との時間が必要な時期には、
家族を優先してもいい。
新しいことを始めた時期には、
その挑戦に時間を使ってもいい。
疲れている時期には、
休むことを優先してもいい。
「いつでも同じように頑張る」
必要はありません。
その時の自分に合わせて、
配分を変えていけばいいのです。
むしろ、
変えられることのほうが大切です。
以前は大切だったものが、
今はそれほど必要ではなくなることもあります。
反対に、
今まで後回しにしていたものが、
急に大切になることもあります。
だから、
「昔決めたから。」
という理由だけで、
時間を使い続けなくてもいい。
今の自分に必要かどうかを、
その都度考えていいのです。
これは、
「選ばない技術」ともつながっています。
何かを選ぶということは、
同時に、
何かを選ばないということでもあります。
仕事を優先するなら、
その時間にSNSを見ることを選ばない。
家族との時間を優先するなら、
別の予定を入れない。
趣味に集中するなら、
その時間だけは仕事から離れる。
何かを大切にするためには、
何かを少し減らす必要があります。
だから、
優先順位をつけることは、
単なる時間管理ではありません。
「自分の人生で、何を大切にするのか」を決めることです。
もし今、
毎日忙しいのに、
なぜか満足できないのであれば、
やることが足りないのではなく、
大切なものに時間を使えていないのかもしれません。
一度、
紙やスマートフォンに、
今の自分が時間を使っていることを、
いくつか書き出してみてください。
仕事。
SNS。
動画。
人付き合い。
趣味。
勉強。
家事。
休息。
そして、
その一つひとつを見ながら、
こう問いかけてみる。
「これは、
今の自分にとって、
どれくらい大切だろう。」
全部に、
「大切」と答えなくてもいいのです。
少し迷ってもいい。
順位が変わってもいい。
大切ではないと気づくものがあってもいい。
そこから、
少しずつ時間の配分を変えていけばいい。
集中するとは、
ただ一つの作業に長時間向き合うことではありません。
自分にとって大切なものへ、限られた時間とエネルギーを向けることです。
だからまず、
何に集中するかを決める前に、
何を大切にしたいのかを決めてみる。
その答えが見えてくると、
何を減らせばいいのかも、
少しずつ見えてきます。
第3章 大切なものに時間を使うために、何かを減らす
本当に大切なものが分かっても、
それだけで時間が生まれるわけではありません。
仕事もある。
家事もある。
人付き合いもある。
スマホも見る。
SNSも見る。
メールも返す。
やらなければいけないことは、
毎日のように出てきます。
だから、
「家族との時間を大切にしたい。」
「趣味の時間を増やしたい。」
「ブログを書きたい。」
そう思っていても、
気づけば一日が終わっている。
そんなこともあります。
ここで必要なのが、
「大切なものに時間を使うために、何を減らすか」を考えることです。
時間は、
新しく作り出すことができません。
一日は24時間。
その中で、
何に時間を使うのかを、
配分していくしかありません。
だから、
何かを増やしたいなら、
何かを減らす必要があります。
ブログを書く時間を増やしたいなら、
テレビを見る時間を減らす。
運動する時間を作りたいなら、
何となくスマホを見る時間を減らす。
家族との時間を増やしたいなら、
必要以上の予定を減らす。
一人で考える時間が欲しいなら、
すべての誘いに応じることをやめる。
新しいことを始めたいなら、
今まで続けていたことを、
一度見直してみる。
こう考えると、
「時間がない」という問題も、
少し違って見えてきます。
時間がないのではなく、
すでに別のことに時間を使っている。
ただ、
それに気づいていないだけかもしれません。
たとえば、
スマートフォンを少しだけ見る。
最初は数分のつもりでも、
SNSを見て、
ニュースを見て、
動画を見て、
また別の投稿を見る。
気づけば、
かなりの時間が経っています。
もちろん、
SNSや動画が悪いわけではありません。
必要な情報を得ることもあります。
楽しむ時間も大切です。
問題なのは、
「本当に使いたかった時間」が、
気づかないうちに別のものへ流れていることです。
だから、
すべてを禁止する必要はありません。
「自分は何に時間を使いたいのか。」
その基準から、
少しだけ見直してみる。
たとえば、
毎日30分SNSを見ているなら、
まず10分だけ減らしてみる。
毎週なんとなく参加している予定があるなら、
本当に必要か考えてみる。
メールを一日に何度も確認しているなら、
確認する時間を決めてみる。
こうした小さな変更でも、
積み重なると、
自分の時間が少しずつ戻ってきます。
ここで大切なのは、
「全部やめる」という考え方ではありません。
SINGLESELFが大切にしているのは、
引き算です。
必要なものまで、
無理に捨てる必要はありません。
残したいものは残す。
大切なものは大切にする。
そのうえで、
必要以上に時間を使っているものを、
少し減らしていく。
このくらいでいいのです。
そして、
もう一つ考えてほしいのが、
「同じことを、同じ強さでやらなくてもいい」
ということです。
仕事の中にも、
本当に重要な仕事があります。
一方で、
そこまで力を使わなくてもいい仕事もあります。
人間関係にも、
深く付き合いたい人がいる一方で、
少し距離を置いても問題ない関係があります。
趣味にも、
本当に好きで続けたいものがあれば、
「なんとなく続けているだけ」のものもあるかもしれません。
すべてを同じ熱量で続けようとすると、
本当に大切なものに使える力が減ってしまいます。
だから、
「これは80点を目指す。」
「これは60点で十分。」
「これは最低限でいい。」
そんなふうに、
力の入れ方を変えてもいいのです。
これは、
手を抜くこととは少し違います。
大切なものに、より多くの力を残すための配分です。
たとえば、
仕事では、
すべての作業を完璧にしようとするのではなく、
成果につながる仕事に集中する。
メールの文章を何度も読み直すより、
重要な仕事を前に進める。
細かい部分に時間をかけすぎるより、
全体を完成させる。
趣味では、
上達することだけを目的にせず、
楽しむ時間を大切にする。
人間関係では、
すべての人に好かれようとするのではなく、
本当に大切な人との時間を守る。
こうやって、
使う力を変えていきます。
すると、
「もっと頑張らなければ。」
という感覚が、
少しずつ変わっていきます。
「何を増やせばいいだろう。」
ではなく、
「何を減らせば、
大切なものにもっと力を使えるだろう。」
と考えられるようになるからです。
これは、
集中することの本質にもつながっています。
集中とは、
何時間も一つのことを続ける能力だけではありません。
本当に大切なものを見つけて、
そこに自分の時間とエネルギーを向けることです。
そのためには、
それ以外のものに使う力を、
少しずつ減らしていく。
だから、
集中は足し算ではなく、
やはり引き算なのです。
もし、
「やりたいことがあるのに時間がない。」
と感じているなら、
新しい時間管理の方法を探す前に、
今の一日を振り返ってみてください。
朝起きてから、
何に時間を使っているでしょうか。
仕事。
スマートフォン。
SNS。
メール。
移動。
人付き合い。
テレビ。
動画。
家事。
勉強。
趣味。
休息。
そして、
その中から一つだけ、
「少し減らせそうなもの」を探してみる。
大きく変える必要はありません。
10分でもいい。
一つの予定でもいい。
一回のSNSチェックでもいい。
その10分を、
本当に大切なものへ戻してみる。
ブログを書く。
本を読む。
運動する。
家族と話す。
一人で考える。
ただ休む。
何をするかは、
自分で決めればいいのです。
大切なのは、
空いた時間を、また別の何かで埋めないことです。
せっかくSNSを見る時間を減らしたのに、
その時間で別の動画を見る。
予定を一つ減らしたのに、
新しい予定を入れる。
仕事を効率化したのに、
空いた時間でもっと仕事を増やす。
これでは、
引き算した意味がなくなってしまいます。
減らしたことで生まれた余白は、
そのまま残してもいいのです。
何もしない時間があってもいい。
ぼんやりする時間があってもいい。
休む時間があってもいい。
余白は、
必ず何かで埋めなければいけないものではありません。
むしろ、
余白があるからこそ、
本当に大切なものへ、
自分の意思で時間を使えるようになります。
だから、
全部を頑張らなくていい。
全部に同じだけ時間を使わなくていい。
全部に同じだけエネルギーを注がなくていい。
大切なものを大切にするために、
それ以外を少し減らす。
そして、
生まれた時間を、
自分が選んだものへ戻していく。
その小さな配分の変化が、
毎日の過ごし方を変えていきます。
そしていつか、
「忙しいけれど、
なぜか自分の時間がない。」
という状態から、
「やることはあるけれど、
大切なものには時間を使えている。」
という状態へ、
少しずつ変わっていくのです。
第4章 力を入れるものと、抜くものを決める
「全部を頑張らなくていい。」
そう分かっていても、
実際には、
なかなか力を抜けないことがあります。
仕事なら、
頼まれたことは全部きちんとやりたい。
人間関係なら、
相手を嫌な気持ちにさせたくない。
趣味なら、
せっかくやるなら上達したい。
ブログなら、
できるだけ良い記事を書きたい。
そう考えていると、
いつの間にか、
すべてに力を入れてしまいます。
でも、
すべてに力を入れ続けることは、
思っている以上に疲れます。
そして、
疲れてくると、
本当に大切なものに使う力まで、
残らなくなってしまいます。
だから、
ここで一度、
考え方を変えてみます。
「何を頑張るか」だけではなく、「何は頑張らなくていいか」を決める。
これが、
集中するための大切な考え方です。
たとえば仕事なら、
すべての業務を同じ熱量で進める必要はありません。
今日中に終わらせる必要がある仕事。
今週中でいい仕事。
誰かに任せられる仕事。
最低限できていれば問題ない仕事。
それぞれ違います。
それなのに、
全部を同じように丁寧にやろうとすると、
時間もエネルギーも足りなくなります。
だから、
「これはしっかりやる。」
「これは最低限でいい。」
と決める。
それだけでも、
かなり違ってきます。
たとえば、
重要な企画書には時間をかける。
一方で、
社内の簡単な連絡は、
必要な内容が伝われば十分。
すべてのメールを、
完璧な文章にする必要はないかもしれません。
すべての仕事を、
自分が納得するまで磨き上げる必要もありません。
もちろん、
質が必要な仕事まで、
適当にするという話ではありません。
重要なものには力を使い、重要ではないものには力を使いすぎない。
この区別が大切なのです。
人間関係でも同じです。
すべての人に、
同じだけ時間を使う必要はありません。
大切な友人とは、
ゆっくり話す。
家族との時間を、
できるだけ守る。
一緒にいて安心できる人とは、
自然体で過ごす。
その一方で、
それほど深く関わる必要のない人とは、
適度な距離を保つ。
すべての人に、
理解してもらおうとしなくてもいい。
すべての誘いに、
応えなくてもいい。
すべての関係を、
維持し続けなくてもいい。
これは、
人を大切にしないということではありません。
むしろ、
本当に大切な人との関係を大切にするために、使える時間を守るということです。
趣味についても、
同じことが言えます。
趣味なのだから、
もっと楽しんでもいい。
上達しなければいけない。
毎日続けなければいけない。
もっと道具を揃えなければいけない。
そんなふうに、
趣味まで「頑張るもの」にしてしまうことがあります。
でも、
今日はただ楽しむだけでもいい。
上達を目指さない日があってもいい。
少し休んでもいい。
趣味にまで、
100点を求める必要はありません。
大切なのは、
自分にとって、
その時間がどんな意味を持っているかです。
そして、
ここで一つ、
試してほしいことがあります。
今、自分が時間を使っていることを、
いくつか書き出してみてください。
仕事。
家族。
友人。
趣味。
勉強。
SNS。
スマートフォン。
買い物。
動画。
その他の予定。
そして、
それぞれについて、
「ここには、どれくらい力を使いたいだろう。」
と考えてみます。
すべてに100点をつけなくていい。
仕事は80点。
家族は90点。
趣味は70点。
SNSは30点。
必要ではない付き合いは、
20点でもいい。
もちろん、
数字は正確でなくて構いません。
大切なのは、
自分の中で、力の配分を意識することです。
今まで、
なんとなく時間を使っていたものに、
「ここまでで十分。」
という基準をつくる。
すると、
そこから先に使っていた時間やエネルギーを、
別の大切なものへ回せるようになります。
たとえば、
SNSを1時間見ていたところを、
30分で終える。
その30分を、
ブログを書く時間にする。
仕事で細かい部分を何度も修正していたなら、
「今回はここまで」と決める。
その分、
家族との時間を増やす。
週末の予定を詰め込みすぎているなら、
一つ減らして、
何もしない時間を残す。
こうした小さな配分の変更でいいのです。
人生を大きく変える必要はありません。
力を使う場所を、少し変えるだけでいい。
そして、
もう一つ大切なのは、
「力を抜くこと」に罪悪感を持たないことです。
何かを100点でやらなかったからといって、
怠けているわけではありません。
すべての仕事に100点を求めなかったからといって、
責任感がないわけでもありません。
誰かとの付き合いを減らしたからといって、
冷たい人になったわけでもありません。
むしろ、
限られた時間とエネルギーを、
自分にとって本当に大切なものへ使おうとしているのです。
だから、
「これは頑張らなくていい。」
と決めることも、
立派な選択です。
「今はここに力を使わない。」
と決めることも、
集中の一部です。
集中というと、
一つのことに、
ずっと意識を向け続けることだと思われがちです。
でも、
本当はそれだけではありません。
何に力を使うのかを選び、
それ以外に使う力を減らす。
そして、
大切なものに、
残った力を向けていく。
これもまた、
集中なのです。
だから、
今日から何か一つ、
「頑張りすぎているもの」を探してみてください。
仕事の細かい作業かもしれません。
SNSかもしれません。
人付き合いかもしれません。
趣味かもしれません。
あるいは、
「毎日ちゃんとしなければ」と思っている、
自分自身への要求かもしれません。
それを、
少しだけ緩めてみる。
10分減らす。
一つ断る。
60点で終わらせる。
今日は休む。
その小さな引き算で、
自分の中に、
少しだけ力が戻ってくるかもしれません。
そして、
戻ってきた力を、
本当に大切なものへ使ってみる。
それが、
「全部を頑張らない」ということです。
すべてを捨てる必要はありません。
すべてを諦める必要もありません。
ただ、
大切なものを大切にするために、力の配分を変える。
仕事も、
趣味も、
人間関係も、
全部を同じ強さで抱えなくていい。
今の自分にとって大切なものを見極め、
そこへ時間とエネルギーを渡していく。
その選択ができるようになると、
「忙しいのに、何も大切にできていない。」
という状態から、
「限られた時間でも、大切なものには力を使えている。」
という状態へ、
少しずつ変わっていきます。
集中するとは、
何もかも頑張ることではありません。
大切なもののために、頑張らないものを決めることでもあるのです。
第5章 大切なものを守るために、全部を頑張らない
ここまで、
「何に集中するか」
「何を減らすか」
「どこに力を使うか」
について考えてきました。
通知を減らす。
SNSを見る時間を減らす。
同時に複数のことをやめる。
「今やらないこと」を決める。
集中できる環境をつくる。
そして、
本当に大切なものに、
時間とエネルギーを配分する。
ここまで来ると、
集中するということが、
単に「一つの仕事を頑張る」という話ではないことが、
少し見えてくるかもしれません。
集中とは、
自分にとって大切なものを守るために、使う力を選ぶことです。
だからこそ、
全部を頑張らなくていい。
むしろ、
全部を頑張らないからこそ、
大切なものを守ることができます。
たとえば、
仕事が忙しい時期があります。
そんなときに、
仕事も頑張る。
毎日運動する。
毎日ブログを書く。
SNSも更新する。
友人とも会う。
家事も完璧にする。
勉強も続ける。
すべてを同じように維持しようとすると、
どこかで無理が出てきます。
だから、
仕事が忙しい時期は、
趣味を少し休んでもいい。
SNSの更新を減らしてもいい。
人付き合いを少し減らしてもいい。
家事も、
最低限できていればいい。
そして、
仕事が落ち着いたら、
また別のものに時間を戻していけばいい。
このように、
人生の中では、
その時々で、
力を使う場所を変えていいのです。
ずっと同じ配分で生きる必要はありません。
むしろ、
状況に合わせて配分を変えられるほうが、
無理なく続けられます。
たとえば、
今週は仕事を優先する。
来週は家族との時間を増やす。
週末は趣味を楽しむ。
今日は疲れているから、
何もしない時間をつくる。
それでいいのです。
大切なのは、
「いつでも完璧にできる自分」を目指すことではありません。
その時の自分にとって、本当に大切なものを見失わないことです。
そのためには、
定期的に自分の時間の使い方を見直すことも役に立ちます。
一週間を振り返って、
「今週は何に時間を使っただろう。」
と考えてみる。
仕事にかなり時間を使った。
SNSにも思った以上に時間を使っていた。
家族との時間は少なかった。
趣味の時間がほとんどなかった。
そんなことに気づくかもしれません。
気づいたら、
次の一週間で少し変えてみる。
SNSを少し減らす。
予定を一つ減らす。
仕事の一部を早めに切り上げる。
家族と過ごす時間を先に予定に入れる。
趣味の時間を30分だけ確保する。
大きく変える必要はありません。
「気づく → 減らす → 大切なものへ戻す」
この繰り返しでいいのです。
そして、
もう一つ覚えておいてほしいことがあります。
それは、
「大切なものに集中する」と、
「大切なものだけをやり続ける」は、
違うということです。
仕事が大切だからといって、
一日中仕事をする必要はありません。
家族が大切だからといって、
自分の時間をすべてなくす必要もありません。
趣味が大切だからといって、
仕事を放り出していいわけでもありません。
大切なものを守るためには、
自分自身の余白も必要です。
だから、
何もしない時間も、
大切な時間として扱っていい。
休むことも、
力を配分することの一つです。
疲れているときに、
さらに頑張ることだけが、
正しい選択ではありません。
「今日は休む。」
と決めることで、
明日また大切なことに力を使えるなら、
それも立派な集中です。
これは、
SINGLESELFが大切にしている「引き算」にもつながります。
人生を良くしようとすると、
つい何かを足したくなります。
新しい習慣を始める。
新しい勉強をする。
新しい情報を集める。
新しいツールを使う。
新しい予定を入れる。
でも、
本当に必要なのは、
いつも新しいものとは限りません。
今あるものを少し減らすだけで、
大切なものに使える時間が戻ってくることがあります。
だから、
「もっと頑張る方法」を探す前に、
「頑張らなくていいもの」を探してみる。
これは、
とてもシンプルですが、
大きな違いを生みます。
たとえば、
毎日返信していた連絡を、
まとめて確認する。
毎日見ていたSNSを、
見る時間だけ決める。
なんとなく参加していた予定を、
一つ減らす。
仕事で必要以上に細かく作り込んでいた部分を、
「ここまでで十分」と決める。
家で何となくスマホを触る時間を、
少し短くする。
こうした小さな引き算で、
一日の中に余白が生まれます。
その余白を、
すぐに別の予定で埋めなくてもいい。
少し休んでもいい。
考えてもいい。
好きなことをしてもいい。
大切な人と過ごしてもいい。
そして、
本当に集中したいことがあるなら、
そこへ使ってもいい。
自分で決められる時間が増えること。
それ自体が、
大きな意味を持っています。
なぜなら、
時間の使い方を自分で決められるということは、
自分の人生の方向を、
少しずつ自分で決められるということだからです。
周りから頼まれたことだけをしていると、
一日は簡単に埋まっていきます。
通知が来れば対応する。
誘われれば参加する。
仕事が来れば取り組む。
情報が流れてくれば見る。
そうしているうちに、
自分が本当にやりたかったことは、
後回しになってしまいます。
だから、
一日のどこかで、
自分に問いかけてみてください。
「今日は、
何を大切にしたいだろう。」
そして、
「そのために、
何を減らせるだろう。」
この二つだけでも、
十分です。
大切なものを決める。
それ以外を少し減らす。
そして、
生まれた時間とエネルギーを、
大切なものへ戻す。
この繰り返しが、
自分の時間を取り戻すことにつながります。
もちろん、
毎日うまくできるわけではありません。
仕事に追われる日もあります。
スマホを見すぎる日もあります。
予定が重なる日もあります。
何もしたくない日もあります。
そんな日は、
それでいいのです。
また次の日に、
一つ減らせばいい。
一つに戻ればいい。
大切なものを思い出せばいい。
完璧に続ける必要はありません。
大切なのは、何度でも自分の時間を戻していくことです。
集中する技術は、
自分を厳しく管理するための方法ではありません。
「もっと頑張れ」と、
自分を追い込むためのものでもありません。
むしろ、
その反対です。
必要のないものを減らして、
大切なものに使える力を残す。
すべてを抱え込まず、
自分にとって必要なものを選ぶ。
そして、
選んだものを、
丁寧に大切にする。
それが、
今回の「集中する技術」で伝えたいことです。
仕事も、
趣味も、
人間関係も、
全部を100点にしなくていい。
すべてを同じように頑張らなくていい。
その時の自分にとって、
本当に大切なものを見つける。
そして、
そこに時間とエネルギーを配分する。
それ以外は、
少し力を抜いていい。
少し減らしていい。
時には、
手放してもいい。
そうすることで、
自分の中に残る力があります。
その力を、
本当に大切なものへ使っていく。
全部を頑張らないことは、何かを諦めることではありません。
自分にとって大切なものを、
これからも大切にしていくための、
一つの選択です。
そして、
その選択を自分でできることこそ、
「集中する」ということなのかもしれません。
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