第1章 集中できない自分を、責めなくていい
「最近、集中できない。」
そう感じることは、
ありませんか。
仕事を始めても、
すぐにスマートフォンを見てしまう。
記事を書いていても、
通知が気になってしまう。
本を読んでいても、
いつの間にかSNSを開いている。
何かをやろうと思っていたのに、
別のことを始めてしまう。
そして、
「自分は集中力がない。」
「意志が弱い。」
「もっと頑張らなければ。」
そんなふうに、
自分を責めてしまう。
でも、
本当にそうでしょうか。
もしかすると、
あなたの集中力が弱いのではなく、
集中できない環境の中にいるだけかもしれません。
私たちは今、
昔よりもずっと多くのものに、
注意を向けることを求められています。
スマートフォンがあります。
SNSがあります。
メールがあります。
ニュースがあります。
動画があります。
仕事のチャットがあります。
アプリから通知が届きます。
新しい情報も、
次々に入ってきます。
少し時間が空けば、
スマートフォンを見る。
通知が来れば、
確認する。
メールが届けば、
返信する。
SNSを開けば、
新しい投稿がある。
動画を見れば、
次の動画が始まる。
こうしていると、
自分では何もしていないように感じても、
実際にはたくさんの情報に、
注意を向け続けています。
そして、
注意を向けるたびに、
頭の中では小さな切り替えが起こります。
仕事をしている。
通知が来る。
通知を見る。
仕事に戻る。
メールが気になる。
メールを確認する。
また仕事に戻る。
SNSを少しだけ見る。
気づけば、
また別の情報を見ている。
こうしたことが繰り返されると、
「一つのことに集中する時間」が、
少しずつ失われていきます。
それでも、
「集中できないのは、
自分の能力が低いからだ。」
と思ってしまう。
でも、
それでは少し厳しすぎます。
例えば、
静かな部屋で、
机の上には必要なものだけがあり、
スマートフォンも手元にない。
そんな環境で仕事をするのと、
スマートフォンが目の前にあり、
通知音が鳴り、
メールが届き、
SNSをすぐに開ける状態で仕事をするのとでは、
集中しやすさが違って当然です。
だから、
集中力を高めることを考える前に、
「自分の集中を邪魔しているものは何だろう。」
と考えてみる。
これが、
今回のシリーズで最初に伝えたいことです。
集中できないとき、
「もっと頑張ろう。」
と考えるのではなく、
「何が集中を邪魔しているんだろう。」
と考える。
この視点に変えるだけで、
少し気持ちが楽になるかもしれません。
例えば、
スマートフォンを触ってしまう。
それなら、
「自分は意志が弱い。」
と決めつける前に、
「スマートフォンが、
いつでも手の届くところにないか。」
と考える。
通知が気になってしまう。
それなら、
「集中力がない。」
と考える前に、
「そもそも通知を受け取る必要があるのか。」
と考える。
仕事中にメールを何度も確認してしまう。
それなら、
「仕事が遅い。」
と考える前に、
「メールを常に確認しなければならない環境になっていないか。」
と考える。
このように、
自分の内側だけを見るのではなく、
外側を見る。
ここには、
SINGLESELFが大切にしている
「引き算」の考え方があります。
集中できるようになるために、
何かを足す必要はありません。
新しい集中法を覚える。
新しいアプリを使う。
新しい手帳を買う。
新しい音楽を探す。
新しい勉強法を試す。
そうやって、
集中するための方法を増やしていくこともできます。
でも、
その前に、
集中を邪魔しているものを一つ減らす。
それだけでも、
状況は変わるかもしれません。
例えば、
スマートフォンの通知を一つ切る。
机の上から、
関係のないものを一つ片付ける。
仕事中は、
SNSを開かない。
メールを確認する時間を決める。
必要のないタブを閉じる。
こうした小さな引き算です。
何かを頑張って追加するのではなく、
「これはなくても困らない。」
というものを、
一つ減らしてみる。
すると、
今まで自分が集中できなかった原因が、
少しずつ見えてくることがあります。
もちろん、
すべての通知を切ればいい、
という話ではありません。
仕事によっては、
すぐに確認する必要があるものもあります。
家族からの連絡は、
受け取りたいかもしれません。
緊急の連絡が必要な仕事もあります。
SNSが仕事の一部になっている人もいます。
だから、
「スマートフォンを捨てればいい。」
「SNSをやめればいい。」
という単純な話ではありません。
大切なのは、
自分にとって必要なものと、
必要のないものを分けることです。
そして、
必要のない刺激まで、
全部受け取らない。
ここに、
「集中する技術」の最初のポイントがあります。
集中とは、
何かに無理やり意識を向け続けることだけではありません。
むしろ、
意識を奪っていくものを、
できるだけ減らすこと。
そのほうが、
自然に集中しやすくなります。
例えば、
「1時間集中しよう。」
と自分に言い聞かせるより、
「この1時間は通知を見ない。」
と決める。
「絶対にスマートフォンを触らない。」
と我慢するより、
「スマートフォンを別の部屋に置く。」
と決める。
「SNSを見ないように頑張る。」
より、
「作業中はSNSを開かない。」
と環境を変える。
自分の意志だけに頼らない。
これが大切です。
私たちは、
いつでも強い意志を持てるわけではありません。
疲れている日もあります。
眠い日もあります。
気分が乗らない日もあります。
仕事で疲れ切っている日もあります。
そんな状態で、
「もっと集中しろ。」
と自分に言い続けても、
なかなかうまくいきません。
だからこそ、
自分を変える前に、
環境を変えてみる。
自分を責める前に、
邪魔しているものを探してみる。
頑張る前に、
一つ減らしてみる。
この順番でいいのです。
集中できない自分を、
すぐに否定しなくて大丈夫です。
もしかすると、
あなたに足りないのは、
集中力ではないかもしれません。
足りないのは、
集中できる余白なのかもしれません。
だから、
まずは周りを見てみる。
机の上。
スマートフォン。
通知。
SNS。
メール。
仕事の予定。
開いているタブ。
聞こえてくる音。
そして、
自分の時間を細かく分断しているもの。
その中から、
「これは、
なくても困らないかもしれない。」
と思うものを、
一つだけ探してみてください。
集中力を鍛えるのは、
そのあとでも遅くありません。
まずは、
集中を邪魔しているものを減らす。
それだけで、
今までより少しだけ、
一つのことに向き合いやすくなるかもしれません。
集中するために、
何かを増やす必要はない。
ときには、
一つ減らすことから、
集中は始まります。
第2章 集中力を奪っているものを、一つずつ減らす
集中できないとき、
「もっと集中しなければ。」
と考える前に、
一度、
自分の周りを見てみてください。
何が、
あなたの集中を邪魔しているでしょうか。
スマートフォン。
SNS。
通知。
メール。
ニュース。
動画。
仕事のチャット。
次から次へと届く情報。
そして、
「あとでやらなければ。」
と思っていること。
こうしたものが、
少しずつ注意を奪っています。
一つひとつは、
それほど大きな問題に見えないかもしれません。
通知が一回届く。
メールを一通確認する。
SNSを少し見る。
ニュースを一つ読む。
それくらいなら、
大したことではないように感じます。
でも、
それが一日に何度も繰り返されると、
話は変わってきます。
仕事をしている途中で、
スマートフォンを見る。
また仕事に戻る。
少しすると、
メールが届く。
メールを確認する。
また仕事に戻る。
今度はSNSを開く。
そこで別の情報を見つける。
気になって、
さらに検索する。
そして、
「今日はずっと仕事をしていたはずなのに、
なぜかあまり進んでいない。」
という状態になります。
これは、
自分が怠けていたからとは限りません。
注意を向ける場所が、
何度も切り替わっていたのです。
だからこそ、
集中力を取り戻したいなら、
まず「集中を奪っているもの」を見つける。
ここから始めてみます。
例えば、
一番分かりやすいのが、
スマートフォンです。
手元にある。
いつでも見られる。
通知が届く。
SNSを開ける。
ニュースも見られる。
動画も見られる。
買い物もできる。
検索もできる。
一台の中に、
あまりにも多くのものが入っています。
だから、
仕事をしているときに、
つい触ってしまうのも不思議ではありません。
そこで、
「スマートフォンを見ないように頑張る。」
ではなく、
「スマートフォンを手元から離す。」
という方法があります。
机の上に置かない。
カバンに入れる。
別の部屋に置く。
必要な時間だけ、
手元に戻す。
たったこれだけでも、
誘惑との距離が変わります。
そして、
同じことは通知にも言えます。
スマートフォンから、
毎日のように通知が届く。
メール。
SNS。
ニュース。
アプリのお知らせ。
セール情報。
おすすめの動画。
すべてが、
「今、見てください。」
と自分に話しかけてきます。
でも、
本当に全部を、
今すぐ確認する必要があるでしょうか。
仕事中に必要のない通知なら、
切ってもいい。
すぐに返信する必要のないメールなら、
確認する時間を決めてもいい。
ニュースを毎時間確認する必要がなければ、
見る時間を一度にまとめてもいい。
大切なのは、
「届いたら見る」から、
「自分が見る時間を決める」へ変えることです。
通知に合わせて、
自分の時間を動かすのではありません。
自分の時間に合わせて、
必要な情報を取りに行く。
この違いは、
とても大きいものです。
そして、
もう一つ見直したいのが、
「開きっぱなし」のものです。
ブラウザのタブ。
メール。
SNS。
チャット。
仕事の資料。
動画。
いろいろなものを開いたままにしていると、
頭の片隅に、
「あれもやらなければ。」
という意識が残ります。
今やっている仕事とは関係がなくても、
目に入るだけで、
注意が向いてしまいます。
だから、
今必要ではないものは、
一度閉じてしまう。
あとで必要になったら、
また開けばいい。
これも、
立派な引き算です。
そして、
物だけではありません。
予定も、
集中を奪います。
朝から予定が入っている。
昼にも会議がある。
その間にメールを処理する。
午後には別の仕事がある。
夜には予定がある。
一日が細かく分断されていると、
一つのことに集中する時間が、
なかなか取れません。
だから、
予定を増やす前に、
「本当に必要な予定だろうか。」
と考える。
毎回参加しなければならない会議なのか。
その予定を入れなくても問題ないのか。
別の日にまとめられないか。
誰かに任せられないか。
オンラインで済ませられないか。
こうして、
予定にも引き算を入れていきます。
もちろん、
何でも減らせばいいわけではありません。
必要な仕事もあります。
大切な人との予定もあります。
必要な情報もあります。
だから、
「全部やめる。」
ではなく、
「本当に必要なものを残す。」
という考え方です。
これは、
前回の「選ばない技術」ともつながっています。
選択肢を減らす。
不要なものを減らす。
そして、
残ったものに、
自分の注意を向ける。
集中とは、
たくさんのことを同時に抱えることではありません。
むしろ、
今、自分が向き合うもの以外を、
一度横に置くことです。
例えば、
ブログを書く時間なら、
ブログを書く。
その時間は、
SNSを見ない。
メールを確認しない。
新しい情報を探さない。
別の記事のことを考えない。
まず一つだけやる。
終わったら、
次に進む。
これだけでも、
一日の感覚は変わってきます。
そして、
最初から全部を変える必要はありません。
スマートフォンを完全に使わなくていい。
SNSを全部やめなくていい。
メールを一切見なくていい。
仕事を全部減らす必要もありません。
まず、
一番、自分の集中を奪っているものを一つ見つける。
そして、
それを少しだけ遠ざけてみる。
通知を切る。
アプリを閉じる。
スマートフォンを離す。
予定を一つ減らす。
不要なタブを閉じる。
そのくらいでいいのです。
すると、
今までより少しだけ、
集中できる時間が生まれるかもしれません。
そこで、
「もっと集中しなければ。」
と考えるのではなく、
「これなら少しやりやすい。」
と感じられたら十分です。
そして、
余裕が出てきたら、
もう一つ減らしてみる。
また余裕が出たら、
さらに一つ減らす。
この繰り返しです。
集中力を高めるために、
何か特別なことを始めなくてもいい。
まずは、
自分の集中を邪魔しているものを、
一つ減らしてみる。
それだけでいいのです。
そして、
少しずつ減らしていくと、
「自分は集中力がない。」
と思っていたのに、
実は、
集中するための環境がなかっただけだった。
と気づくかもしれません。
だから、
自分を変えることばかり考えなくていい。
まずは、
周りを一つ変えてみる。
集中を奪っているものを、
一つ減らす。
その小さな引き算から、
自分の時間を取り戻していきましょう。
第3章 マルチタスクをやめて、一つのことに戻る
仕事をしていると、
「あれもやらなければ。」
「これも確認しなければ。」
と、
いくつものことが気になります。
メールを確認しながら、
資料を作る。
資料を作りながら、
チャットに返信する。
仕事の合間に、
SNSを見る。
SNSを見ながら、
ニュースを読む。
そして、
「今日は一日中、
いろいろなことをやっていた。」
という感覚だけが残る。
でも、
本当に、
それだけの仕事が進んでいるでしょうか。
もしかすると、
たくさんのことをやっているように見えて、
実際には、
一つのことを何度も中断しているだけかもしれません。
これが、
いわゆる
「マルチタスク」です。
一度に複数のことを進めると、
効率が良くなるように感じます。
時間を無駄にしていない。
同時にいろいろできている。
忙しい自分は、
しっかり働いている。
そんな感覚もあります。
でも、
集中という視点から見ると、
少し違って見えてきます。
例えば、
記事を書いている途中で、
メールを確認する。
メールを確認している途中で、
仕事のチャットが届く。
チャットに返信している途中で、
スマートフォンに通知が届く。
通知を確認して、
SNSを少し見る。
そして、
「そういえば記事を書いていた。」
と戻ってくる。
一つの仕事をしているようで、
実際には何度も意識が移動しています。
そのたびに、
「今、何をしていたんだっけ。」
と、
元の作業に戻るための時間が必要になります。
だから、
集中したいなら、
「もっと多くのことを同時にやる。」
ではなく、
「一つのこと以外を、一度横に置く。」
という考え方が大切です。
例えば、
ブログを書く時間なら、
ブログを書く。
それ以外のことは、
後回しにする。
メールは、
あとで確認する。
SNSは、
あとで見る。
ニュースも、
あとでいい。
別の仕事も、
今はやらない。
最初は、
少し不安になるかもしれません。
「メールが来ているかもしれない。」
「何か大事な連絡があるかもしれない。」
「新しい情報を見逃すかもしれない。」
そう思ってしまいます。
でも、
すべてを今すぐ確認しなければならないわけではありません。
緊急のものだけ、
必要な方法で受け取ればいい。
それ以外は、
「あとで確認する。」
と決めてもいいのです。
ここで大切なのは、
「一つに集中する」ということは、
他のすべてを捨てることではない。
ということです。
ただ、
「今やること」と
「あとでやること」を分ける。
それだけです。
例えば、
午前中は記事を書く。
昼にメールを確認する。
午後に資料を作る。
夕方にSNSを確認する。
このように、
時間を分ける。
すると、
「全部を今やらなければ。」
という状態から、
少し離れることができます。
そして、
もう一つ重要なのが、
「途中で思いついたこと」を
その場ですぐに始めないことです。
記事を書いていると、
「そういえば、
あのサービスについて調べたい。」
と思うことがあります。
そこで検索を始める。
すると、
別の情報が見つかる。
さらに検索する。
気づけば、
記事を書くことを忘れている。
こういうことは、
よくあります。
だから、
思いついたことは、
メモだけしておく。
「あとで調べる。」
と書いて、
今の作業に戻る。
これだけでも、
集中が切れにくくなります。
大切なのは、
思いついたことを
無視することではありません。
今すぐやらなくていいことを、
今やらない。
ということです。
これは、
第2章で話した
「集中を奪っているものを減らす」
という考え方にもつながっています。
集中を邪魔するものは、
外から来るものだけではありません。
自分の頭の中からも、
次々に出てきます。
「あれをやらなきゃ。」
「これも調べたい。」
「そういえば、
あの人に連絡していない。」
「新しい情報も見ておきたい。」
こうしたことが、
頭の中に次々と浮かびます。
だから、
頭の中にあるものを、
一度外に出してしまう。
メモに書く。
リストにする。
あとでやる場所を決める。
そして、
今の作業に戻る。
これも、
集中するための引き算です。
全部を頭の中に抱えたまま、
全部を同時に処理しようとしない。
一つずつ、
外に出していく。
そして、
今やることだけを残す。
こうすると、
頭の中にも少し余白ができます。
そして、
「一つのことに集中する。」
というと、
何時間も集中し続けなければならないように感じるかもしれません。
でも、
そんな必要はありません。
最初は、
20分でもいい。
30分でもいい。
まず、
その時間だけ一つのことをやる。
終わったら、
休む。
必要なら、
次の時間を作る。
これで十分です。
集中とは、
何時間も休まずに
作業し続けることではありません。
むしろ、
「今はこれをやる。」
と決めて、
その時間だけ、
他のものを減らすことです。
例えば、
「30分だけ記事を書く。」
と決める。
その30分は、
メールを見ない。
SNSを見ない。
ニュースを見ない。
別の仕事を始めない。
必要のない検索をしない。
ただ、
記事を書く。
そして、
30分経ったら、
一度休む。
この小さな区切りでも、
一つのことに向き合う時間は作れます。
もちろん、
仕事によっては、
マルチタスクが必要な場面もあります。
緊急対応が必要な仕事もあります。
人と連絡を取りながら、
複数のことを処理しなければならない場合もあります。
だから、
「絶対に一つしかやってはいけない。」
という話ではありません。
大切なのは、
本当に同時にやる必要があるのか。
と考えることです。
一緒にやっているだけなのか。
本当に同時にやる必要があるのか。
後回しにできないのか。
時間を分けられないのか。
この問いを持つだけでも、
変わってきます。
そして、
一つに絞ってみると、
意外なことに気づくかもしれません。
「あれもこれもやらなくても、
意外と問題なかった。」
ということです。
メールは、
30分後でも大丈夫だった。
SNSは、
あとで見ても困らなかった。
ニュースは、
今日全部知らなくても問題なかった。
別の仕事は、
今やらなくても終わった。
つまり、
自分が思っていたほど、
すべてを同時に処理する必要はなかったのです。
だから、
忙しいと感じたときほど、
「何を追加すればいいだろう。」
ではなく、
「今、何を一つに絞れるだろう。」
と考えてみてください。
一つに絞る。
それ以外を横に置く。
終わったら、
次に進む。
それだけです。
集中することは、
自分の能力を無理やり高めることではありません。
注意をあちこちに配るのをやめて、
一つのことに、
自分の時間を渡すことです。
そして、
そのためには、
「今はこれ以外をやらない。」
と決めることが必要になります。
一つに集中するためには、
一つを選ぶだけでは足りません。
同時に、
「今は選ばないもの」も決める。
これが、
集中するための引き算です。
たくさんのことを抱えなくていい。
すべてに反応しなくていい。
今やることを一つ決める。
そして、
その一つに戻ってくる。
集中できないときは、
自分を責める前に、
まず、
「今、何を減らせば一つに集中できるだろう。」
と考えてみてください。
その問いから、
自分の時間を取り戻すことが
始まります。
第4章 「今やらないこと」を決めると、集中できる
一つのことに集中したい。
そう思っても、
仕事をしている途中で、
メールが届く。
スマートフォンに通知が来る。
SNSを見たくなる。
別の仕事を思い出す。
誰かから連絡が来る。
そして、
気づけば、
最初にやろうとしていたことから、
離れてしまいます。
だからこそ、
集中するためには、
「何をするか」だけではなく、
「今、何をしないか。」
を決めておくことが大切です。
例えば、
「午前中は記事を書く。」
と決めるだけでは、
まだ少し弱いかもしれません。
その時間に、
メールを確認する。
SNSを見る。
ニュースを読む。
別の仕事を始める。
となれば、
記事を書く時間は簡単に分断されます。
そこで、
「午前中は記事を書く。」
に加えて、
「午前中はメールを確認しない。」
「SNSを見ない。」
「別の仕事を始めない。」
と決める。
すると、
集中するための境界線ができます。
これは、
何かを我慢するというより、
自分の時間を守るためのルールを作ることです。
私たちは普段、
「やること」を決めることには慣れています。
今日やる仕事。
買うもの。
会う人。
行く場所。
勉強すること。
でも、
「やらないこと」を決める機会は、
それほど多くありません。
そのため、
予定や情報が、
どんどん入ってきます。
そして、
入ってきたものに、
その都度反応する。
メールが来たら見る。
通知が来たら確認する。
SNSを開きたくなったら開く。
誰かから頼まれたら対応する。
こうしていると、
自分で時間を使っているようで、
実は外から来るものに、
時間を動かされてしまいます。
だから、
集中したい時間くらいは、
「今は反応しない。」
と決めてもいいのです。
例えば、
「この30分はスマートフォンを見ない。」
「この1時間はメールを確認しない。」
「この記事を書き終わるまでSNSを開かない。」
「この仕事が終わるまで別の仕事を始めない。」
こうした小さなルールです。
最初から、
「今日は一日中集中する。」
と決める必要はありません。
むしろ、
短い時間から始めたほうが、
実践しやすいでしょう。
20分。
30分。
1時間。
その時間だけ、
「今はこれ以外をやらない。」
と決める。
そして、
時間が終わったら、
必要なものを確認する。
メールを見る。
スマートフォンを見る。
休憩する。
別の仕事に移る。
これなら、
「ずっと我慢しなければならない。」
という感覚も小さくなります。
そして、
もう一つ大切なのが、
「思いついたこと」を
すぐにやらないことです。
仕事をしていると、
「あれを調べなければ。」
「このメールも返信しなければ。」
「そういえば、
あの仕事を忘れていた。」
と、
いろいろなことを思い出します。
そこで、
すぐに別の作業を始める。
すると、
今やっていた仕事が、
また止まってしまいます。
だから、
思いついたことは、
一度メモする。
そして、
「あとでやる。」
と決める。
これだけでも、
集中を守りやすくなります。
大切なのは、
思いついたことを無視することではありません。
「今ではない。」
と判断することです。
今やらない。
でも、
あとでやる。
この違いです。
例えば、
ブログを書いているときに、
新しい情報を調べたくなった。
それなら、
メモに、
「○○について調べる。」
と書いておく。
そして、
今は記事に戻る。
記事を書き終わったら、
調べる。
これなら、
頭の中に浮かんだことを
忘れる不安も減ります。
そして、
一つのことに集中できます。
また、
「断る」ということも、
集中を守るためには必要です。
仕事をしていると、
「これもお願いできる?」
と言われることがあります。
もちろん、
必要な仕事なら対応する。
でも、
今やっている仕事を中断してまで、
すぐにやる必要があるでしょうか。
「今の仕事が終わってからでもいいですか。」
と伝える。
「今日は難しいので、
明日でもいいですか。」
と相談する。
「それは別の人にお願いできませんか。」
と確認する。
これも、
「今やらないこと」を決める行動です。
何でも断る必要はありません。
ただ、
すべてに、
今すぐ反応しなくていい。
ということです。
集中するためには、
自分の時間に優先順位をつける。
そのためには、
「今やらない。」
という判断が必要になります。
これは、
仕事だけではありません。
休日にも使えます。
例えば、
「今日は仕事のメールを見ない。」
と決める。
すると、
休日に仕事のことを考える時間が減ります。
「夜はSNSを見ない。」
と決める。
すると、
眠る前の時間を守れます。
「食事中はスマートフォンを見ない。」
と決める。
すると、
目の前の食事や、
一緒にいる人に意識を向けられます。
「本を読んでいる間は、
他のことをしない。」
と決める。
すると、
途中でスマートフォンを触る回数が減ります。
こうして、
「今やらないこと」を一つ決めるだけで、
今やっていることに、
意識を戻しやすくなります。
そして、
ここでも大切なのは、
完璧に守ろうとしないことです。
通知を見てしまう日もある。
SNSを開いてしまう日もある。
途中で別の仕事をしてしまうこともある。
それでいいのです。
一度できなかったからといって、
「自分には集中力がない。」
と考える必要はありません。
気づいたら、
また戻ればいい。
スマートフォンを置く。
メールを閉じる。
余計なタブを閉じる。
そして、
今やっていたことに戻る。
この、
「戻る」
という感覚を持っておくことが大切です。
集中とは、
一度も気が散らないことではありません。
気が散っても、
「今はこれをやる。」
と思い出して、
戻ってくることです。
そのために、
あらかじめ「戻る場所」を
決めておく。
例えば、
「この時間は記事を書く。」
「この時間は資料を作る。」
「この時間は本を読む。」
と決めておく。
すると、
別のことに気を取られたときも、
「今はこれだった。」
と戻ることができます。
だから、
集中したいときは、
「どうすれば、
もっと集中できるだろう。」
と考えるだけではなく、
「何を今やらないと決めよう。」
と考えてみてください。
やることを増やすのではなく、
やらないことを一つ決める。
それだけでも、
集中できる時間は変わります。
そして、
自分の時間を守ることができます。
集中するというのは、
自分を厳しく管理することではありません。
周りから次々に入ってくるものに、
全部反応しないことです。
必要なものは、
あとで確認する。
大切なことは、
順番にやる。
今ではないものは、
一度横に置く。
そして、
今やることに戻る。
この繰り返しでいいのです。
何かを増やす必要はありません。
新しい集中法を覚えなくてもいい。
まずは、
「今は、これをやらない。」
と一つ決めてみる。
その小さな境界線が、
あなたの集中と、
あなたの時間を守ってくれます。
第5章 集中できる環境は、自分でつくれる
ここまで、
集中できない自分を、
責めなくていい。
という話をしてきました。
集中を邪魔しているものを、
一つずつ減らす。
同時にいくつものことをせず、
一つのことに戻る。
そして、
「今はやらないこと」を決める。
ここまでできると、
少しずつ、
自分の集中を守れるようになります。
でも、
もう一つ大切なことがあります。
それは、
集中できる環境を、自分でつくることです。
集中できるかどうかを、
自分の意志の強さだけで、
解決しようとしなくていいのです。
例えば、
スマートフォンが目の前にある。
通知が鳴る。
メールが届く。
SNSを開ける。
ニュースを見ることができる。
動画もすぐに見られる。
そんな環境で、
「絶対に集中するぞ。」
と頑張るのは、
意外と大変です。
だったら、
最初から、
集中を邪魔するものを、
遠ざけてしまえばいい。
スマートフォンを、
別の部屋に置く。
通知を切る。
メールを確認する時間を決める。
SNSを開く時間を決める。
必要のないタブを閉じる。
机の上から、
今使わないものを片付ける。
こうしたことは、
どれも特別な方法ではありません。
でも、
効果があります。
なぜなら、
集中するために、
自分の意志を使わなくてよくなるからです。
「スマホを見ないようにしよう。」
と我慢するより、
「そもそも手の届かない場所に置いておく。」
ほうが簡単です。
「SNSを見ないようにしよう。」
と考え続けるより、
「作業中はアプリを開かない。」
と最初に決めてしまう。
集中力を高めるというより、
集中しやすい状態を、
先につくっておくのです。
これは、
仕事でも同じです。
例えば、
一時間で終わらせたい仕事があるとします。
その一時間の間に、
メールを確認する。
チャットに返信する。
電話に出る。
別の仕事を始める。
SNSを見る。
ニュースを見る。
これでは、
一つの仕事に集中するのは、
難しくなります。
だから、
「この一時間は、
この仕事だけをする。」
と決める。
必要な資料だけを、
目の前に置く。
それ以外は、
閉じておく。
メールやチャットは、
あとで確認する。
たったそれだけでも、
集中できる環境は変わります。
そして、
ここで大切なのは、
長時間集中しようとしないことです。
「今日は3時間、
ずっと集中する。」
と考える必要はありません。
まずは、
20分でもいい。
30分でもいい。
「この時間だけ、
一つのことをやる。」
と区切ってみる。
時間が終わったら、
少し休む。
必要なら、
また始める。
集中は、
ずっと続けることではありません。
集中できる時間を、自分でつくることです。
そして、
その時間を守るために、
環境を整える。
これだけでも、
かなり変わります。
もちろん、
毎回うまくいくわけではありません。
スマートフォンを触ってしまう日もある。
予定外の仕事が入る日もある。
誰かから連絡が来ることもある。
疲れていて、
どうしても集中できない日もある。
それでいいのです。
集中できなかったからといって、
また自分を責める必要はありません。
大切なのは、
「なぜ集中できなかったのか。」
を考えることです。
スマートフォンが近かったのか。
通知が多かったのか。
仕事を詰め込みすぎたのか。
睡眠が足りなかったのか。
やることを決めすぎていたのか。
原因が見つかったら、
また一つ減らせばいい。
通知を減らす。
予定を減らす。
机の上を減らす。
開いている画面を減らす。
同時にやることを減らす。
そうやって、
少しずつ、
集中しやすい環境をつくっていく。
これも、
SINGLESELFが大切にしている、
「引き算」の一つです。
集中するために、
新しい方法を、
次々と増やす必要はありません。
高価な道具を買わなくてもいい。
特別なアプリを、
たくさん入れなくてもいい。
新しい習慣を、
いくつも作らなくてもいい。
むしろ、
必要のないものを減らす。
それだけで、
集中できる場所は、
少しずつ生まれてきます。
そして、
環境が整ってくると、
「集中しなければ。」
と頑張る時間も、
少なくなっていきます。
気づいたら、
一つのことに取り組んでいる。
気づいたら、
スマートフォンを触らずに、
仕事を終えている。
気づいたら、
以前よりも短い時間で、
一つのことが終わっている。
そんな状態を、
少しずつつくっていけばいいのです。
集中力は、
根性だけで鍛えるものではありません。
集中しやすい環境をつくることで、
集中はもっと自然になります。
だから、
もし今、
「自分は集中力がない。」
と思っているなら、
自分を変えようとする前に、
周りを一度見渡してみてください。
何が、
あなたの集中を邪魔しているでしょうか。
スマートフォンでしょうか。
通知でしょうか。
仕事でしょうか。
情報でしょうか。
それとも、
「今やらなくてもいいこと」
を抱えすぎているでしょうか。
全部を変える必要はありません。
まず一つだけ、
遠ざけてみる。
一つだけ、
片付けてみる。
一つだけ、
やめてみる。
その小さな引き算が、
あなたの集中できる時間を、
少しずつ増やしてくれます。
集中するとは、
自分を無理やり変えることではありません。
集中できる自分にするのではなく、
集中できる環境をつくる。
そのほうが、
ずっと自然に続けられます。
今日、
一つだけ、
自分の集中を邪魔しているものを、
遠ざけてみてください。
スマートフォンを、
少し離れた場所に置く。
通知を一つ切る。
不要なタブを閉じる。
机の上を一つ片付ける。
それだけでもいい。
集中は、
何かを足したときではなく、
邪魔するものを一つ減らしたときから、
始まるのかもしれません。
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