はじめに
仕事をしながら、
メールを確認する。
SNSを開く。
スマホの通知を見る。
別の仕事を思い出す。
そして、また元の作業に戻る。
私たちは普段、これを当たり前のように繰り返しています。
「同時にいろいろなことを進めたほうが、効率がいい。」
そう考えてしまうからです。
一つだけをやっていると、
「他のことが遅れてしまう。」
「もっと効率よく動かなければ。」
「時間を無駄にしている気がする。」
そんな焦りが出てくることもあります。
でも、
本当にそうでしょうか。
実は、集中するために必要なのは、
もっと多くのことを同時に処理することではありません。
むしろ、
今やることを一つに絞ることです。
前回は、
通知やメール、SNS、不要な予定など、
集中を邪魔しているものを減らすことについて考えました。
今回は、そこからもう一歩進みます。
外から入ってくる情報だけではなく、
自分自身が作っている「同時進行」も減らしていく。
それが今回のテーマです。
集中とは、
何かを足して強くするものではありません。
集中力を高めるための方法を、
次から次へと追加する必要もありません。
むしろ、
一つずつ減らしていく。
やらないことを決める。
今ではないことを後回しにする。
そして、
「今やること」へ戻る。
その繰り返しで、
集中できる時間は少しずつ生まれていきます。
第1章 同時にやるほど、集中は途切れていく
「仕事をしながらメールを確認する。」
「動画を見ながらSNSを見る。」
「スマホを触りながら、別の作業をする。」
こうした行動は、
一見すると、
「同時にいろいろなことをこなしている。」
ように見えます。
でも、
実際には、
一つのことから別のことへ、
何度も注意を切り替えているだけかもしれません。
例えば、
記事を書いている途中にメールが届く。
メールを確認する。
返信が必要だと気づく。
返信を書く。
その途中でSNSの通知を見る。
SNSを少しだけ確認する。
そして、
「そういえば記事を書いていた。」
と元の作業に戻る。
一つひとつは、
ほんの数分かもしれません。
でも、
こうした切り替えが何度も起きると、
一つのことに深く入り込む時間がなくなっていきます。
集中できない原因は、
「集中力が足りないから」
とは限りません。
集中する前に、別のものへ意識を持っていかれている。
そんな状態になっていることがあります。
ここで大切なのは、
「もっと集中しなければ。」
と自分を追い込むことではありません。
まず、
「自分はどれくらい、作業を切り替えているだろう。」
と気づくことです。
例えば、
ブログを書きながら、
メールを開いていないでしょうか。
仕事をしながら、
SNSを確認していないでしょうか。
本を読みながら、
スマホを触っていないでしょうか。
何かを始めた直後に、
別のことを思い出して、
そちらへ移っていないでしょうか。
もし思い当たることがあれば、
それは意志が弱いという話ではありません。
今の生活の中に、
「一つのことに集中し続けるのが難しい仕組み」
ができているだけかもしれません。
そして、
ここでもSINGLESELFの考え方である、
「引き算」が使えます。
集中力を高めるために、
新しい方法を増やす前に、
まずは同時にやっていることを一つ減らす。
例えば、
30分だけメールを見ない。
30分だけSNSを開かない。
スマホを机の上から移動させる。
今の仕事とは関係のないタブを閉じる。
そして、
目の前の一つだけに戻る。
これだけでも、
集中の感覚は変わってきます。
もちろん、
すべての通知や連絡を無視する必要はありません。
仕事によっては、
メールを確認する必要もあるでしょう。
すぐに連絡を取らなければならないこともあります。
大切なのは、
「全部やらない」ことではありません。
「今は、これだけをやる」と決めることです。
一つに絞ると、
最初は少し不安になるかもしれません。
他の仕事が気になる。
メールが届いていないか気になる。
SNSの反応が気になる。
でも、
その「気になるもの」を、
今すぐ処理しなくてもいいのです。
メモしておけばいい。
あとで確認すればいい。
今ではないこととして、
一度横に置けばいい。
集中とは、
他のことを完全に忘れることではありません。
他のことがあっても、
「今はこれ」と決めたものへ戻ってくることです。
だから、
集中できない自分を責めなくていい。
まずは、
同時にやっていることを一つ減らしてみる。
そして、
一つのことに戻ってみる。
それだけで十分です。
今日、
何か一つ作業をするとき、
「これ以外は、今やらない。」
と決めてみてください。
集中力を鍛える前に、
集中を邪魔しているものを一つ減らす。
その小さな引き算から、
本当に集中したい時間が、
少しずつ戻ってきます。
第2章 一つに絞れないのは、全部を今やろうとしているから
「これをやらなきゃ。」
そう思って仕事を始めたのに、
途中で別のことが気になってしまう。
メールを確認しなきゃ。
あの資料も作らなきゃ。
SNSも更新しなきゃ。
返信もしなきゃ。
買い物もしなきゃ。
そうやって、
頭の中に次々と「やること」が浮かんできます。
すると、
目の前の一つに集中することが難しくなります。
なぜなら、
実際に手を動かしているのは一つでも、
頭の中では、
いくつものことを同時に処理しようとしているからです。
「今やっていること」と、
「これからやらなければならないこと」が、
頭の中で混ざってしまう。
その状態では、
目の前の仕事に集中したくても、
なかなか深く入り込めません。
だからこそ、
集中するためには、
「何をするか」だけではなく、
「今は何をしなくていいか」を決めることが大切です。
例えば、
ブログの記事を書いているとします。
今日中に、
記事を書く。
メールを返信する。
SNSを更新する。
資料を整理する。
買い物をする。
いろいろな予定があるかもしれません。
でも、
それらを全部、
同じ時間に進める必要はありません。
まず、
「今は記事を書く。」
と決める。
そして、
メールは後でいい。
SNSも後でいい。
資料整理も後でいい。
買い物も後でいい。
そうやって、
一度だけ、
他のことを横に置いてみる。
これは、
仕事を後回しにすることではありません。
順番を決めているだけです。
私たちは、
「後でやる」と聞くと、
どこか怠けているように感じることがあります。
でも、
すべてを今すぐやろうとすると、
結局どれも中途半端になってしまいます。
それなら、
一つずつ終わらせたほうがいい。
今やることを一つ決める。
それ以外は、
一度置いておく。
そして、
一つ終わったら、
次の一つへ移る。
このほうが、
頭の中も整理されやすくなります。
もちろん、
途中で別のことを思い出すこともあります。
「あ、あれもやらなきゃ。」
「そういえば、あの人に返信していない。」
「この作業が終わったら、次はこれをやらないと。」
そんなことは、
普通に起こります。
そこで、
そのたびに作業を切り替える必要はありません。
紙やメモに、
一言だけ書いておけばいいのです。
「メール返信」
「資料確認」
「SNS投稿」
それだけ書いたら、
また今の作業に戻る。
頭の中で覚えておこうとするから、
気になってしまうことがあります。
外に出してしまえば、
「あとでやること」として、
いったん手放すことができます。
これは、
集中するための小さな工夫です。
そして、
もう一つ大切なのは、
「全部終わらせなければ」という考え方を変えることです。
一日の中で、
すべての仕事を完璧に終わらせる必要はありません。
今日できることには、
限りがあります。
時間にも、
体力にも、
集中できる量にも、
限界があります。
だから、
すべてを抱えたまま頑張るのではなく、
「今日は、この一つを進める。」
と決める。
それだけでも、
気持ちはずいぶん軽くなります。
例えば、
30分だけブログを書く。
その30分は、
ブログ以外のことを考えない。
メールは30分後。
SNSも30分後。
他の仕事も30分後。
30分が終わったら、
次に何をするかを決めればいい。
たったそれだけでも、
「全部やらなきゃ」という状態から、
「今はこれだけ」という状態へ変わります。
集中とは、
長時間ずっと集中し続けることではありません。
何時間も、
一度も気が散らないことでもありません。
大切なのは、
他のことが気になったとしても、
「今はこれ」と決めたものへ戻ってこられることです。
途中でメールが気になってもいい。
SNSを見たくなってもいい。
別の仕事を思い出してもいい。
そこで、
「あとでやろう。」
と一度横に置く。
そして、
目の前の一つへ戻る。
それを繰り返していけばいいのです。
ここでも、
SINGLESELFの「引き算」という考え方がつながってきます。
集中するために、
特別な能力を身につける必要はありません。
新しいツールを増やす必要もありません。
もっと効率的な方法を探し続ける必要もありません。
まずは、
今やっていること以外を、
一度減らしてみる。
「今はメールを見ない。」
「今はSNSを開かない。」
「今は別の仕事をしない。」
「今はこれだけをやる。」
それだけでいいのです。
一つに絞るというのは、
選択肢を失うことではありません。
むしろ、
今、自分が何に時間を使うのかを、自分で選ぶことです。
全部を同時に進めようとするのではなく、
一つを選ぶ。
残りは、
あとに回す。
その小さな決断が、
自分の時間を取り戻してくれます。
もし今日、
いくつものことを抱えているなら、
まず一つだけ選んでみてください。
「今は、これをやる。」
そして、
それ以外のことには、
「今じゃなくていい。」
と伝える。
集中とは、
何かを足して強くすることではありません。
余計なものを一度横に置いて、
大切な一つに戻ることです。
一つに絞る。
それだけで、
集中できる時間は、
少しずつ増えていきます。
第3章 一つに絞った時間を守る
「今はこれをやる。」
そう決めるだけでも、
集中しやすい状態は作れます。
でも、
実際に作業を始めると、
また別のものが入ってきます。
メールが届く。
通知が鳴る。
電話がかかってくる。
誰かから話しかけられる。
ふと、
別の仕事を思い出す。
そして、
「ちょっとだけ確認しよう。」
と思ってしまう。
その「ちょっとだけ」が、
集中を途切れさせることがあります。
だから、
一つに絞るだけではなく、
一つに絞った時間を守ることも大切です。
例えば、
「これから30分は記事を書く。」
と決めたとします。
その30分の間は、
メールを確認しない。
SNSを開かない。
別の仕事を始めない。
スマホを手に取らない。
もちろん、
緊急の連絡まで無視する必要はありません。
大切なのは、
必要のない中断まで、
自分から受け入れないことです。
「今は記事を書く時間。」
そう決めて、
その時間を守る。
それだけです。
私たちは、
時間が余ったら集中する、
という考え方をしてしまいがちです。
仕事が全部終わったら、
ブログを書こう。
メールを全部返したら、
勉強しよう。
家事が終わったら、
自分の時間を作ろう。
でも、
そんなふうに考えていると、
いつまで経っても、
集中したいことに時間を使えません。
なぜなら、
やることは次から次へと出てくるからです。
だからこそ、
先に時間を確保する。
30分でもいい。
20分でもいい。
10分でもいい。
「この時間だけは、
これをやる。」
と決めてしまう。
すると、
集中することが、
「時間ができたらやること」から、
「自分で確保した時間にやること」へ変わります。
ここには、
大きな違いがあります。
時間を空けるというのは、
単に予定を減らすことではありません。
自分にとって大切なことのために、時間を残しておくことです。
例えば、
ブログを書くことが大切なら、
30分をブログのために残しておく。
読書をしたいなら、
20分を読書のために残しておく。
勉強したいなら、
15分だけでも勉強の時間を確保する。
その時間だけは、
他のことを入れない。
それが、
集中を守るということです。
そして、
ここでも「引き算」が重要になります。
集中する時間を作るために、
何か新しいことを始める必要はありません。
むしろ、
その時間に入ってこようとするものを、
一つずつ減らしていく。
通知を切る。
スマホを遠ざける。
メールを閉じる。
不要なタブを閉じる。
机の上から関係のないものを片付ける。
「あとでやること」をメモして、
頭の中から出しておく。
こうして、
集中を邪魔するものを減らしていきます。
すると、
「集中しなければ。」
と頑張らなくても、
集中しやすい状態ができてきます。
もちろん、
途中で集中が切れることもあります。
スマホを見てしまうこともある。
別のことを考えてしまうこともある。
ぼんやりしてしまうこともあるでしょう。
でも、
そこで、
「自分は集中できない。」
と決めつけなくて大丈夫です。
気づいたら、
戻ればいい。
スマホを置く。
画面を閉じる。
今やっていた作業を見る。
そして、
もう一度、
「今はこれ。」
と戻ってくる。
集中とは、
一度も気が散らない状態ではありません。
気が散ったあとに、戻ってこられる状態です。
だから、
完璧に集中できなくてもいいのです。
30分のうち、
途中で一度気が散ったとしてもいい。
10分集中できたなら、
そこからまた戻ればいい。
最初から最後まで、
完璧である必要はありません。
大切なのは、
集中が途切れたことではなく、
そのあと、
どこへ戻るかです。
そして、
戻る場所を決めておく。
「今は記事を書く。」
「今はこの資料を作る。」
「今はこの本を読む。」
そうやって、
自分が戻る場所を、
一つにしておく。
すると、
迷いが少なくなります。
次に何をするかを、
そのたびに考えなくてもいい。
今やることは、
もう決まっているからです。
ここまで考えると、
集中するということは、
「一つのことを頑張り続けること」
ではないと分かります。
むしろ、
余計なものを減らしながら、何度でも一つに戻ること。
それが、
集中するということなのかもしれません。
今日、
何か一つ、
本当に進めたいことを決めてみてください。
そして、
まずは20分だけ、
そのための時間を作る。
その20分には、
他の予定を入れない。
通知を減らす。
スマホを遠ざける。
別のことを思い出したら、
メモしておく。
そして、
また戻る。
それだけで十分です。
集中できる人は、
最初から集中力が強い人ではありません。
自分の時間から、
余計なものを少しずつ減らして、
大切な一つに戻ることを、
繰り返している人です。
だから、
「もっと集中しなければ。」
と考える前に、
こう考えてみてください。
「今、何を入れないようにすれば、この一つに集中できるだろう。」
集中力を足すのではなく、
集中を邪魔するものを減らす。
その小さな引き算が、
あなたの時間を、
あなた自身のための時間へと、
少しずつ変えていきます。
第4章 「今やらないこと」を決めると、一つに集中できる
一つのことに集中しようと思っても、
頭の中には、
いろいろなことが浮かんできます。
メールを返さなければ。
あの資料も確認しなければ。
SNSも更新しなければ。
買い物にも行かなければ。
そういえば、
あの人にも連絡しなければ。
一つの作業をしているだけなのに、
頭の中では、
次から次へと別の予定が動いています。
これでは、
目の前のことに集中するのが難しくなります。
だからこそ、
「今やること」を決めるときには、
もう一つ、
決めておきたいことがあります。
それが、
「今やらないこと」です。
例えば、
これから30分、
ブログの記事を書くとします。
そのとき、
「30分で記事を書く。」
だけを決めるのではありません。
同時に、
「この30分はメールを見ない。」
「SNSを開かない。」
「別の仕事を始めない。」
と決めておく。
すると、
途中で別のことが気になっても、
「今はやらない。」
と判断できます。
これは、
他のことを諦めるという意味ではありません。
後でやるために、
一度、
横に置いておくということです。
ここが、
とても大切です。
私たちは、
何かを後回しにすると、
「逃げているのではないか。」
と感じることがあります。
でも、
すべてを同時にやろうとすることが、
本当に前進なのでしょうか。
一つの作業をしながら、
別の作業を考える。
途中でメールを確認する。
また戻る。
今度はSNSを見る。
また戻る。
こうしていると、
時間は使っているのに、
一つのことがなかなか終わりません。
それなら、
順番を決めたほうがいい。
今は記事を書く。
そのあとにメールを見る。
そのあとにSNSを確認する。
さらにそのあとで、
別の仕事をする。
この順番を決めるだけで、
「全部を今やらなければ。」
という感覚から、
少し離れることができます。
そして、
「今やらないこと」を決めると、
もう一つ良いことがあります。
それは、
自分の時間に、
境界線ができることです。
例えば、
朝の9時から9時30分までは、
ブログを書く。
9時30分からメールを見る。
10時から別の仕事をする。
このように、
時間ごとに役割を分けてみる。
すると、
「いつでも何でもやる。」
という状態から、
「今はこれをする。」
という状態に変わります。
もちろん、
予定通りにいかない日もあります。
急な連絡が入ることもある。
予定が変更になることもある。
思ったより仕事に時間がかかることもあるでしょう。
だから、
完璧なスケジュールを作る必要はありません。
大切なのは、
細かく予定を管理することではなく、
その瞬間に、自分が何を優先するのかを決めることです。
例えば、
「今から20分だけ、この作業を進める。」
と決める。
その20分は、
他のことを考えなくていい。
別のことを思い出したら、
メモしておく。
終わったら、
次に何をするかを決める。
これだけでも、
かなり違います。
そして、
「今やらないこと」は、
時間だけではなく、
情報にも使えます。
仕事中に、
ニュースを調べたくなる。
SNSを確認したくなる。
気になることを検索したくなる。
そんなときも、
すぐに調べなくていい。
「これは後で調べる。」
とメモしておけばいいのです。
その場で答えを出す必要がないものまで、
全部その瞬間に処理しようとしない。
それだけで、
目の前のことへ使える意識が増えていきます。
ここでも、
集中とは足し算ではなく、
引き算だと分かります。
集中するために、
新しいアプリを入れる。
新しい方法を覚える。
新しい習慣を増やす。
そうする前に、
まず、
「今は何をしないか。」
を決めてみる。
やらないことが決まると、
やることが、
自然と一つに見えてきます。
例えば、
「今日はブログを書く。」
だけでは、
少し曖昧かもしれません。
でも、
「ブログを書く。メールは後。SNSも後。ニュースも見ない。」
と決めれば、
今やることがはっきりします。
余計な選択肢が減るからです。
そして、
選択肢が減ると、
迷う時間も減ります。
「次は何をしよう。」
「これもやったほうがいいかな。」
「先にこっちを確認したほうがいいかな。」
そうやって、
毎回判断する必要がなくなります。
今は、
これ。
それ以外は、
あとでいい。
このシンプルな状態を作るだけです。
もちろん、
「今やらない」と決めたことを、
永遠にやらなくていいわけではありません。
ここを勘違いしないことも大切です。
集中するための「やらない」は、
捨てることではありません。
順番を後ろに回すことです。
必要なものは、
必要なタイミングでやればいい。
今ではないものを、
今やらない。
それだけです。
もし今日、
いくつもの仕事を抱えているなら、
まず一つ選んでみてください。
そして、
その作業を始める前に、
「この時間は何をやらないか。」
を一つ決める。
メールを見ない。
SNSを開かない。
スマホを触らない。
別の仕事を始めない。
何でも構いません。
一つだけでいいのです。
そして、
その時間が終わったら、
また次のことを選べばいい。
全部を同時に進める必要はありません。
一つずつ、
順番に進めればいい。
集中するということは、
自分を無理やり一点に縛りつけることではありません。
自分の時間から、
今必要ではないものを、
一時的に外してあげることです。
「今はこれをやる。」
そして、
「今は、これをやらない。」
この二つを決めるだけで、
目の前の一つが、
少しずつ大切に扱えるようになります。
集中したいなら、
何を増やせばいいかを考える前に、
何を今やらなくていいかを考えてみてください。
その引き算が、
あなたの時間を守り、
本当に大切な一つへ、
意識を戻してくれます。
第5章 集中できる環境を、自分でつくる
ここまで、
「今やることを一つに絞る。」
「今やらないことを決める。」
という話をしてきました。
でも、
実際に一つに絞ろうと思っても、
周りに気になるものがたくさんあれば、
集中するのは簡単ではありません。
机の上にスマホがある。
通知が届く。
メールが表示される。
ブラウザには、
いくつものタブが開いている。
隣ではテレビがついている。
そんな状態で、
「集中しよう。」
と自分に言い聞かせ続けるのは、
かなり疲れます。
だからこそ、
集中力だけに頼らないことが大切です。
集中できる環境を、先に作っておく。
これだけでも、
集中するために使うエネルギーを、
減らすことができます。
例えば、
ブログを書くとします。
そのとき、
スマホを机の上に置いたまま、
「見ないようにしよう。」
と頑張る必要はありません。
少し離れた場所に置く。
通知を切る。
画面を伏せる。
必要がなければ、
別の部屋に置いておく。
これだけでも、
「見ようかな。」
という選択肢そのものを減らせます。
これは、
意志が弱いからスマホを触ってしまう、
という話ではありません。
スマホがすぐ手の届く場所にあれば、
触りたくなるのは自然なことです。
だったら、
触らなくても済む環境を作ればいい。
集中とは、
自分を厳しく管理することだけではありません。
誘惑と戦わなくてもいい状態を作ることです。
同じことは、
パソコンの中でもできます。
今必要のないタブを閉じる。
メール画面を閉じる。
SNSをログアウトする。
通知をオフにする。
作業に必要なものだけを、
画面に残しておく。
それだけでも、
目に入ってくる情報は減ります。
情報が減れば、
判断することも減ります。
そして、
判断することが減れば、
目の前の作業に意識を向けやすくなります。
机の上も同じです。
仕事に関係のないものが、
たくさん置いてある必要はありません。
全部を完璧に片付ける必要もありません。
今使うものだけを、
目の前に置いておく。
それ以外は、
一度横へ移動させる。
これだけでもいいのです。
ここでも、
「何かを足す」より、
「何かを減らす」ことから始められます。
集中できる音楽を探す。
集中できるアプリを探す。
集中できるグッズを買う。
もちろん、
それが自分に合っているなら、
使っても構いません。
でも、
その前に、
一つ減らせるものがないかを考えてみる。
通知を一つ減らす。
アプリを一つ閉じる。
机の上から一つ片付ける。
予定を一つ減らす。
これだけでも、
環境は少し変わります。
そして、
時間の使い方も、
環境の一部です。
「今日は何時間集中しよう。」
と考えると、
少し重たく感じるかもしれません。
そんなときは、
最初から長時間を目指さなくていい。
20分だけ。
30分だけ。
一つのことをやる。
その時間が終わったら、
少し休む。
必要なら、
もう一度始める。
このくらいで十分です。
大切なのは、
「長く集中すること」ではありません。
一つのことに使う時間を、自分で確保することです。
例えば、
朝の20分をブログに使う。
昼休みの15分を読書に使う。
夜の30分を勉強に使う。
短い時間でも、
自分で決めた時間なら、
その価値は変わりません。
むしろ、
短いからこそ、
始めやすくなります。
そして、
その時間に、
余計なものを入れない。
これまで話してきたことが、
ここでつながります。
一つに絞る。
今やらないことを決める。
そして、
それを邪魔するものを減らす。
この三つが揃うと、
集中しやすい環境ができます。
もちろん、
毎回うまくいくわけではありません。
スマホを見てしまう日もある。
予定が崩れる日もある。
思ったより仕事が進まない日もあるでしょう。
そんなときも、
「自分は集中できない。」
と決めつけなくて大丈夫です。
むしろ、
「何が邪魔をしていたんだろう。」
と考えてみてください。
通知だったのか。
スマホだったのか。
仕事が多すぎたのか。
机の上が散らかっていたのか。
睡眠不足だったのか。
予定を詰め込みすぎていたのか。
原因が分かれば、
次に一つ減らせます。
ここでも、
完璧を目指す必要はありません。
最初から、
「集中できる完璧な環境」を作ろうとすると、
それ自体が新しい準備になってしまいます。
まずは、
一つだけ変える。
スマホを遠ざける。
通知を一つ切る。
メールを見る時間を決める。
机の上から不要なものを一つ減らす。
20分だけ、
一つの作業をする。
それでいいのです。
集中できる環境は、
誰かが用意してくれるものではありません。
自分にとって、
集中を邪魔するものを見つけて、
少しずつ減らしていくことで、
作っていくものです。
そして、
この考え方は、
仕事だけに使えるものではありません。
読書でもいい。
勉強でもいい。
趣味でもいい。
家族との時間でもいい。
一人で考える時間でもいい。
大切なのは、
「この時間は、これを大切にする。」
と決めることです。
そして、
その時間に必要のないものを、
少しだけ外へ出す。
それだけで、
同じ30分でも、
使い方が変わってきます。
集中するために、
自分をもっと強くする必要はありません。
もっと頑張る必要もありません。
もっと効率を上げる必要もありません。
まず、
邪魔しているものを一つ減らす。
そして、
一つのことに戻る。
その繰り返しでいいのです。
今回の第3回では、
「集中とは足し算ではなく、引き算」
という考え方を、
ここまで掘り下げてきました。
集中できないとき、
新しい方法を探す前に、
まず、
今の自分の周りを見てみる。
何が集中を邪魔しているのか。
何を同時にやっているのか。
何を今すぐやろうとしているのか。
そして、
何を減らせるのか。
一つだけでいい。
それを減らす。
すると、
そこに少しだけ、
余白が生まれます。
その余白に、
今やることを一つ置く。
そして、
その一つに戻る。
集中するとは、
自分を追い込むことではありません。
本当に大切な一つのために、余計なものを減らしていくことです。
今日、
集中したいことがあるなら、
まず一つだけ決めてみてください。
そして、
その時間に必要のないものを、
一つ減らしてみる。
スマホでもいい。
通知でもいい。
予定でもいい。
別の仕事でもいい。
一つ減らして、
一つに戻る。
その小さな引き算が、
あなたの集中を、
少しずつ取り戻してくれます。
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